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皆が働く組織は滅びる?(27年6月5日)

 いつも遊んでいるように見える公務員は、「いざ」という時によく働く

 ふつうの会社では、すべての人が目いっぱい働くことが求められる。そうでないところは潰れる。そのような会社人間から見ると、何をしているかわからない公務員や団体職員は、能無しの「穀潰し」に思える。その「穀潰し」が我々より高給取りとはどういうわけだ、と怒る。当然である。

 ところがもっと大きな視点からみると、皆が精いっぱい働いている社会は長続きしない。
 どういうことか。
 生物学者である長谷川英祐氏の著書「働かないアリに意義がある」によると、アリやハチの世界において、つぎのような観察結果が得られたという。

・コロニー(巣の世界)の中で7割のアリは何もしていない
・死ぬまでほとんど働かないアリもいる
・卵の世話が途切れると次世代がいなくなり、そのコロニーは滅びる
・よく働くアリは寿命が短い
・ハチやアリには個性として刺激に対する反応の違いがある
・その個性によって、仕事が全体にいきわたる
・つまり、仕事が増えると働かないアリも働くようになる
・働かないアリがいる非効率なコロニーのほうが寿命は長い
・道をまちがえるアリがいると、効率よく餌がとれる場合がある

 すなわち、ブラック企業の従業員のごとく、よく働くアリやハチは寿命が短い。もしこのような個体ばかりだと、皆が一斉に疲れ果て、(卵の世話のような)どうしても必要な仕事ができなくなる場合がある。卵の世話ができなくなると、その一族は滅びる。あるいは、人間に襲われて巣が破壊されるときもある。そんなとき、ふだん働きづめのアリは、それ以上の仕事ができない。

         働き?アリ そんなとき、それまで何もしなかったアリの出番である。ふだん遊んでいる個体は、仕事を開始するスイッチの入るのが遅い。このような緊急事態になって、初めて動き出す。それまでは食って寝てばかりいたのだから、体力は充分である。
 かくして怠けアリのおかげで、そのコロニーは持続繁栄することができるのである。

 人間の世界で考えてみても、いつも遊んでいるように見える公務員も、「いざ」という時にはよく働く。3.11のときボランティアとして役に立ったのは、ニートであった。遭難事故も、普段暇な人がいなければ動員できない。
 世の中では、普通のときと普通でないときが、繰り返し起こる。普通でないときに備え、一定数は、遊ばして体力を蓄えておく人が必ず必要な所以である(もちろん、『ものはほどほど』である)。
 
 また、「道をまちがえるアリがいると、効率よく餌がとれる場合がある」ということは、定型的な仕事ばかりで失敗しない人より、失敗して新たな道を発見したほうが、結果的に効率が良くなるということである。これは理解しやすい。

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 つぎに、長谷川英祐氏の著書には、以下のような記述があった。

・働かないで自分の子を産み続けるフリーライダー(ただ乗り)のいるコロニーがある
・そのフリーライダーが増えすぎるとコロニーは滅びる
・コロニー同士が混ざったとき、双方の跡継ぎを抹殺しようと、凄惨な争いが起こる
・ハチやアリも自分の遺伝子をできるだけ多く残すように働く

 先ほどの、怠けアリがいるコロニーで、何かの拍子に別の種類の昆虫が紛れ込む。その昆虫は、忍び込んだコロニーのアリに近い姿や匂いを発し、まんまと怠けアリの仲間に入ってしまう。しかも、自分の子供もそのコロニーで育て上げてもらう。そのような昆虫は、非常事態が発生しても、決して働こうとしない。そんな疑似アリが増えると、そのコロニーは滅びる。

 何かの拍子に、そのようなフリーライダー昆虫を発見したコロニーはどうするか。血で血を争う、凄惨な戦いが起こるという。どのような場合でも、動物は自分に近い遺伝子を遺すように働いているからである。

 これも人間の世界にダブる。外国人労働者である。最初は一所懸命働くつもりで入国しても、日本の「弱者」保護政策に甘えて、次第に働かなくなる。いざというときには真っ先に逃げる。したがって、外国人に対する生活保護の割合が増えていくと、やがてその社会は成り立たなくなる。

 持続可能な生命社会は、そうなる前に凄惨な争いを起こす。ヘイトスピーチは、その前哨戦である。それをどうするか、人間と昆虫の知恵比べであろう。
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