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ニーズとウォンズ(5月13日)

「大義名分」を与えつつ、お客の真の「目的」をかなえる商品(サービス)を提供することが、マーケティングの根幹である

 マーケティングで、「ニーズ」と「ウォンズ」という用語がある。よく似ているが、微妙に異なる。調べてみると、いろんな人がいろんな意味で使っている。複雑な解釈をしたり、まるで正反対に使っている人もいる。
 ただコトラー(マーケティング学者)によると、ニーズとは「人間が生活上必要なある充足状況が奪われている状態(欠乏状態)のこと」だと定義している。またウォンツについては「そのニーズを満たすための特定のモノが欲しいという欲望のこと」だそうだ。
 正式な言葉の定義があるのかどうか、学会の「専門家」でない私には、わからない。そこで、私なりの解釈を行ってみよう。

 私は、「ニーズ」と「ウォンズ」をそれぞれ、お客から見た「目的」と「手段」という意味で使っている。コトラーのいう「ニーズ」が「目的」で、それを達成するための「手段」が「ウォンズ」である。これで、「ニーズ」、「ウォンズ」などという、(私にとって)不慣れな言葉を使う必要がなくなる(あえて分ければ、「目的」が未達の状態が、「ニーズ」ということか)。
 たとえば、『腹が減ったから、何か食べたい』と言う「ニーズ=目的」に対し、たとえば『○○印のラーメンを食べる』が「ウォンズ=手段」である。

 じつは、こんなことで、マーケティングの諸問題が解決できるわけではない。「ニーズ=目的」と「ウォンズ=手段」の関係には、いくつもの階層があるからだ。先ほどの『○○印のラーメンを食べる』という「手段」を下位の「目的」に置き換えれば、その目的に対し、たとえば『近所にできたスーパーへ買いに行く』が下位の「手段」となる。それが、延々と続く。

 さらに、『腹が減ったから、何か食べたい』というのは、たとえば『人並みに生きていたい』という上位の「目的」に対する「手段」ということになる。ややこしいことには、「目的」、「手段」の解は、それぞれの階層で無数にある。
 長くなるので、これ以上はやめる。ただ、マーケティングが一筋縄でいかないのは、この複雑な関係の最適解が、供給者のみならず消費者自身が、よくわからないからだろう。

 しかしそのなかで、わかりそうなことがある。私たちの、考えられる最上位の「目的」(=ニーズ)である。これは、①子孫を残すこと、②安全安心に生きること、③楽しく生きること、であろう(「生きる」を「死ぬ」に置き換えることもできる。私の貧弱な発想ではこれくらいしか思いつかない)。
 私たちはすべて、その「目的」(=ニーズ)を目指して、行動したいと考えている。

 ただお客は、これらの欲望をストレートには表に出せない。そこで、お客に「大義名分」を与えながら、最上位の「目的」(=ニーズ)に、最も適した商品(サービス)を提供する。それがマーケティングの根幹だと思う。
 結局、あたりまえのところに落ち着いてしまった。それでも、ものごとの本質は単純なところにあるはずだ。
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