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お化けの時間(27年5月1日)

 意味のない作業を行って忙しそうに振る舞い、時間だけが失われていく

 効率の悪い会社には、お化けや幽霊が住みついている。
 といっても、お菊や貞子あるいは鬼太郎や鼠男などが出没するわけではない。姿を現すことはないが、そこかしこで彼らが悪さをする。まさに妖怪ウォッチである。

 ある人に、たとえばカタログを封筒に入れる仕事を頼んだとしよう。ふつう1時間。熟練者なら30分もかからない仕事である。ところが、2時間たっても終わらない。仕事ぶりを見ていると、いかにも忙しそうである。動きは遅くないし、サボっているわけではない。本人はきわめて真剣である。
 
 なぜそんなに時間がかかるのか。考える仕事なら仕方がないが、これは定型的な仕事である。じつはここに、背後霊みたいなお化けが取りついている。

 この作業工程はつぎのようなものである
①10種類のカタログを1種類ずつ揃えて10枚で1セットにする
②封筒をとりふくらます。
③封筒に1セットづつ入れる
 これだけである。

 仕事の速い人
①カタログや封筒を、一発でつかむ
②つかんでからの移動距離が短い
③迷う、探すの動作がない

 遅い人は、その逆である。あげく最後に数が合わなくなって、全部をひっくり返し調べなおすことになった。忙いのは当たり前である。

 昔から言われている7つのムダのうちの3つ、すなわち、 ①動作のムダ、②運搬のムダ、③停滞のムダ 
 この3つに加えて、④不良をつくるムダが入る。もうワヤクソである。

         へびお化け じつは、これだけがお化けではない。
 もっと恐ろしいお化けがいる。それは作業者の心の中に潜んでいる。わからないように、わざと時間を遅らせるのである。

 作業者が最も嫌がるのは、なにも仕事がないことである。(それが当たり前の組織はどうしようもないが)仕事がないと無能だと見なされる。いまの仕事が終わってしまうと、何もすることがないか厭な仕事を頼まれる。それは困る。 周囲には、できるだけ自分は忙しいと思ってもらいたい。
 したがって、今の仕事をできるだけ時間をかけてやろうとする。そこでわざと余計な仕事をつくる。

 たとえば先の作業では、しょっちゅう置き場所を入れ替える。周りは、仕事をしやすくするためだと思う。実際は意味のない作業を行って忙しそうに振る舞い、何倍も時間をかける。
 こうなると、よほど見抜く力がない限り、指摘することは難しい。

 こんなお化けのたくさんいる組織は潰れる。潰れる心配のない組織は堂々とお化けを養殖している。
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