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論理が伝わる「書く技術」 (書評)

 参考にするのはいいが、手法だけマスターしても、簡潔で面白い文書をつくることはできない

 久しぶりに文書作成に関する著作を読んだ。倉島保美氏の『論理が伝わる「書く技術」」である。
 そこでは、わかりやすい文書を作成するために、つぎのようなルールを紹介している。

①総論のパラグラフ(一つのトピックを説明した文の集まり)で始める
②一つのパラグラフでは一つのトピックだけを述べる
③パラグラフの先頭は要約文で始める
④先頭文に続き、補足情報(意味、なぜ、重要性)を加える
⑤パラグラフの接続(総論と各論、引き継ぎ型、展開型)
⑥並列のパラグラフは、揃えて表現する(書き方のコツ・・骨子法)
⑦既知から未知へつなぐ

 参考になったのは、「③パラグラフの先頭は要約文で始める」と「⑦既知から未知へつなぐ」であった。たしかにわかりやすい文書が作れるかもしれない。
 あとは、いいのか悪いのかわからない。

 ただ、このような手法を厳格に守ると、書き手は迷走することが多い。この作文ルールでは、繰り返しが多くて長く面白くない文章になってしまうのではないか。いくらわかりやすくても、面白くなければ読んでくれない。

 専門的な話で恐縮だが、むかし機械の制御回路を設計していたとき、ある人の書いた独自の制御回路設計法を読んで、非常に混乱したことがある。手法にこだわった設計で、そもそもの回路の意味が分からなくなってしまった。基本原則から自分で煮詰めていくやり方のほうがよかった。

 どんな手法でも、参考にはしても全面的に依存すべきではないと思う。
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