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対立意見の構造(H27年4月14日)

 人々がいったんある考えを持ってしまったら、その意見を変えるのは難しい 

 集団的自衛権核武装歴史問題靖国参拝慰安婦問題原発推進財政1票の格差など、我が国では、国論を2分するような問題が多い。2分しているということは、異なる意見が同じくらいあるということである。
 どちらかは、明らかに間違っているはずだ。それなのに専門家ほど、それぞれの意見に固執している。

 なぜそんなにこだわるのか。単なる面子だけでもなさそうである。これに関して、中央公論2月号の三井誠氏の記事「米国は反科学主義といかに向きあうか」に、興味深い記事が掲載されていた。

 記事の内容は、

①米国では今も、神が生物を創造したとする「創造説」が教えられている。(「進化論」をきっちり教える教師は、28%しかいないという)
②全米で進化論の支持者は19%で、創造説は42%(2014年のギャラップ社調査)
③人間活動の地球温暖化への影響を信じる人は、大卒の共和党支持者では19%しかいない。
 (大卒の民主党支持者は75%、大卒でない共和党支持者は31%)
④人は自分と同じ考えの知識を吸収する。知識が増えるほど考えが極端になる(カハン教授)
⑤したがって、科学教育を充実しても、正しく理解することはない(カハン教授)
⑥人の心は常に、自分の想いを支えてくれる証拠を探す(クリス・ムーニ―)
⑦人類の知性は集団の中で自分の地位を守るための手段として進化(クリス・ムーニ―)
⑧温暖化の危険が叫ばれるほど、より強く温暖化を否定する。いやなものは見たくないから
⑨ネット社会は、自ら都合のいい情報を容易に入手できるため、2極化が進む(リード氏)
⑩情報伝達は、中身の客観性やわかりやすさだけでは限界がある(ムーニ―氏)
⑪情報の受け手は、自分の主義主張に合う情報しか受け取らない
⑫極端な考えを持つ人は、どんな動機や背景でそうなったか分析する必要がある
⑬地球温暖化懐疑論、極端な反原発論、創造説などが跋扈すると科学的な知見が活かされない
⑭米国海岸の放射能が飲料水基準の0.01%以下でも、安全を指摘した人が嫌がらせされる
⑮日本でも、放射線に対する科学的な意見ほど、バッシングされている

 人々がいったんある考えを持ってしまったら、その意見を変えるのは極めて難しそうである。
 ではどうすればいいのか。

 これに関して、澤昭浩氏(国際環境経済研究所)の行動が参考になる。彼自身は、現実を踏まえた原発容認の姿勢を貫いている。その客観的・科学的な正論が、なぜ受け入れられないのか考え、高校生を対象に、「傾聴」を重視した会合を開催した。「ワールドカフェ」というグループミーティング手法に近い。
 これは討論ではなく、あくまでも「傾聴」である。お互いの意見を我慢して聞くことによって、自分の意見を養成し、その後「賛成」、「反対」に分かれ討論する。

 しかし、この場合は高校生であった。まだそれほど自分の意見が定まっていない。
 このやり方を、その道の「専門家」同士で行ったらどうなるか。お互い真っ黒な頭では、相手の言葉を取り入れられるであろうか。本当はその道を深めるほど、自分の未熟さを実感するはずなのだが。
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