FC2ブログ
RSS

日本の経常収支(27年4月9日)

 日本が破たんしないためには、これ以上ものづくり企業の衰退を見過ごすわけにはいかない

    経常収支の推移1996~2014

 このグラフは、1996年から2014年にかけての、日本の経常収支のグラフである。
 ここから、2008年のリーマンショックと2011年の東日本大震災を契機とした産業構造の変化を読み取ることができる。

①第一次所得収支が堅調に伸びている
 第一次所得収支(黄色に黒点)は、対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支状況を示す。親会社と子会社との間の配当金・利子等の受取・支払、株式配当金及び債権利子の受取・支払などである。
 2008~9年のリーマンショック時と、2011年の大震災後に一時減少したものの、その他は確実に伸び、2014年度は18兆円にまで達している。円高の影響、国内の労働力不足やアジア諸国の投資受け入れで、日本企業の海外進出が伸びている。

②貿易収支は大震災の後、赤字に
 貿易収支(青斜線)は、輸出額と輸入額の差を示す。輸出額が輸入額を上回れば「貿易黒字」で輸出額が輸入額を下回れば「貿易赤字」となる。
 2011年に31年ぶりに貿易赤字に転落、その後は赤字幅が拡大している。
 これは、1ドル80円の超円高や海外の景気低迷で輸出が減少したうえ、3.11原発事故の影響による火力発電稼働増で化石燃料の輸入が増えたからである。円高で国内の製造業が縮小していたため、円安になったとたん製品の輸入額も膨らんでしまった。

③経常収支は限りなくゼロに近づいた
 経常収支(折れ線)は、第一次所得収支(黄色に黒点)、貿易収支(青斜線)、サービス収支(ピンク)、第二次所得収支(緑縦線)の4つを合わせたものである。
 旅行や金融などのサービス収支、海外援助などの第二次所得収支は、昔からマイナスであった。それでも経常収支は、2007年までは拡大を続け、ピークには24兆円にまで達していた。
 ところが貿易収支がマイナスになった2012年から、経常収支は減り続けている。2014年には3兆円近くまで落ち込み、マイナスの月が発生するなど、減少傾向は止まっていない。このままでは経常収支も赤字に転落する。
 第一次所得収支の伸びに比べ、貿易収支の落ち込みが大きすぎるからである。それに日本企業の中国での投資活動などを見ると、海外からの第一次所得収支すら、いまに化けの皮をはがされるような気がする。

 経常収支が赤字ということは、国内のお金が海外に流出しているということである。これが常態化すれば、日本のお金だけでは生活ができなくなる。日本の国債は、海外に買ってもらわなければならない。

 そうなると、1000兆円を超え拡大している日本政府の借金は、海外資本家の腹一つで不安定になる。ギリシャと同じように、国の信頼が失墜し国債利回りは上昇、日本は多額の利息を払い、財政問題はさらに悪化するという悪循環になる可能性が出てくる。
 リーマンショック以上の大恐慌が発生し、数十万単位の餓死者が出る恐れもある。

 これを避けるため、日本の貿易収支は黒字にしたい。そのためには、海外に売れる商品をつくらなければならない。藤本氏の言う「よい現場」を日本に増やすしかない。これ以上日本で、原発を含めたものづくり企業の衰退を見過ごすわけにはいかない。
スポンサーサイト



トラックバック
トラックバック送信先 :