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食料廃棄のムダ(27年3月13日)

 自給率の低下による食糧危機は、日本の「ヤミ鍋」文化が救う

 世界中で、ムダに食料が捨てられている。
 日本でも、流通している食料品8000万tのうち1/4の2000万tが廃棄されている。食べられたものでも、1/4は、おなかに脂肪として溜まっているだけである。このムダが無くなれば、食料は輸入しなくても賄える。
 国際連合食糧農業機関(FAO)の調査によれば、全世界では毎年、生産された食料の1/3およそ13億トンが廃棄されているという。これも、10億といわれる世界の飢餓人口をなくすには充分である。

 じつは廃棄食品の実態は、よくわかっていない。これでも控えめな数字である。
 「さらば食料廃棄(シュテファン・クロイツベルガ―他著・春秋社)」によれば、世界中でじつに50%以上の食料がムダに捨てられているという。

 この本によると、家庭での廃棄と同じくらい生産段階や流通段階での廃棄も大きい。生産段階では大手スーパーの規格に合わない農産物が大量に捨てられ、流通段階では厳しい消費期限のため、まだ食べられる食品が大量に廃棄される。
 廃棄されるということは、その食品はもとより、生産、流通段階でのエネルギーや労力が、すべてムダになることを意味している。

 魚の廃棄も半端ではないという。
 漁獲された魚介類全体の最大80%が、意図しない混獲であって、これらは殺され、潰され、あるいは死にかけのまま海に帰されるそうだ。エチゼンクラゲのようなのもあるが、たいていは食べられるものである。稚魚も多い。いったん網にかかった魚は、海に帰されてもほとんど生存できない。
 そのため、漁業資源が枯渇しかかっている。

 これらに拍車をかけているのが、巨大種苗業界や流通大手である。近年は、投機筋による価格の乱高下が、市場を歪ませている。
 さらにトウモロコシなどのバイオエネルギーは、確実に食用としての穀物と競合している。

 そのため、世界の飢餓人口は、10年前の8億人から、10億人にまで拡大した。これは、形を変えた先進国の植民地支配である。その証拠に、「戦勝国」の食料ほど満ち足りている。アラブの春といわれた「民主革命」も、根底には穀物価格の高騰があったといわれる。 
 この支配のしくみを、敗戦国である日本の一市民が簡単に変えられるわけはない。時期尚早である。
             ヤミ鍋??
 では、われわれができることは何か。

 たとえばオランダのあるスーパーでは、賞味期限が2日以内に迫った商品を見つけたら、無料で持ち帰ってもいいサービスを始めた。また欧州や北米では、(ホームレスではなく)スーパーのゴミコンテナに捨てられた食品を集める人が、増えているという。
 これからも、このような流通段階での取り組みは大切である。

 それよりも、消費者としての力を発揮するほうが、効果は大きい。
 むやみに買わないことにつきる。スーパーでカートいっぱい買って冷蔵庫を満たし、スペースがなくなると、さらに大きな冷蔵庫を買う。その結果、何年も前に買った身に覚えのない食品が、ザクザクと出てくる。こんな悪循環を断ち切ることである。

 そして、できるだけ「地産・地消」に心がける。その究極が、家庭菜園からの自給自足である。
 あるいは、ドイツの一部で「ギブ、テイク&シェア」という方法が実践されている。各家庭で余ってしまった食品を、スマホなどに登録しておき、これを見た人が格安で受け取ることができる。さらに、食材の多少が発生した場合など、近隣の会員とフードシェアリングを行い、材料を持ち寄って一緒に料理と食事をしてしまおうという取り組みである。

 そして日本には、素晴らしい文化がある。ご存じ「ヤミ鍋」である。
 多少古いものでも、煮込んでしまえば何とか食べられる。しかも、あらゆる出汁が効くから、おいしくないはずがない(最近自分で料理をして、大抵のものは混ぜるほどおいしくなることがわかった。混血が美貌なのと似ている)。近隣住民とのコミュニティも拡大する。
 日本で「ヤミ鍋」文化が拡大すれば、食料自給率の低さなど充分カバーできる。
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