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戦艦武蔵の発見(27年3月5日)

 敗戦の屈辱を秘めていれば、必ずつぎの戦争には勝利できる。戦争は勝たなければ、意味がない

 昭和19年10月にフィリピン・レイテ島沖のシブヤン海で沈没した戦艦「武蔵」が発見された。船首に菊の紋があり、巨大な錨がある。バルブの写真も見え、バルブの中心の部分に「開」などの漢字が書かれている。「武蔵」に間違いないだろうと言われる。

 周知のように「武蔵」は、「大和」と並ぶ、当時世界最大の巨大戦艦であった。全長263メートルで排水量7.2万t、46センチ砲9門を有し、無数の対空砲や機銃が張り巡らされ、「不沈艦」とも呼ばれていた。

 それが、航空機の攻撃を受け、あっけなく沈んでしまう。戦艦同士の砲弾に対する防御はともかく対航空機戦は考えておらず、魚雷に対しての防御が甘かったからだとされる。

 半藤氏の指摘によると、「武蔵」が沈んだのは、皮肉なことに46センチ砲を保有していたためだそうだ。この巨砲はあまりにも巨大で、発射の爆風で甲板にいる人は吹っ飛んでしまう。発射するときはブザー警告することになっていたのだが、 たまたまレイテ島戦闘のときには、ブザーが鳴らなかったのだと言う。そのため、「武蔵」の前部主砲近辺の銃座にいた兵士は、吹っ飛んでしまった。
 敵の攻撃機は、機銃攻撃が手薄になった前部をめがけ、集中的に魚雷攻撃を仕掛ける。さすがの「武蔵」も、20本もの魚雷を1か所に受けたらひとたまりもない。前部から、沈んでしまった。

 そもそも大和型戦艦は、航空隊の掩護下で艦隊決戦を挑むために開発された戦艦である。味方航空機の支援が1機もなく、100機以上の航空機から集中攻撃されることは設計者の予想を超えていた。

 後知恵ではあるが、あの戦争での日本軍の行ったことをみると、すべてがちぐはぐであった(だから、負けたのであるが)。日清、日露、真珠湾攻撃からの初戦の勝利で、日本軍は完全に呆けてしまい、自ら修正する力をなくしてしまっていたのである。

 逆にいえば、この敗戦の屈辱を秘めていれば、必ずつぎの戦争には勝利できる。戦争は勝たなければ、意味がない。
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