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3Dプリンタの課題(27年1月29日)

 多くの課題はあるとしても、3Dプリンタが世の中になくなることはない

 ここ数年3Dプリンタが、急激に脚光を浴びてきている。
 3Dプリンタは、作ろうとする形状の3D数値データを寸切りにして、各層ごとにおもにプラスチックを硬化させて、積み重ねていくものである。
 
 2000年代半ばまでは、数百万円以上の高額であったため、おもに企業などで導入されていた。その後、基本特許が切れて数万円~数十万円のものが発売され始め、個人や家庭でも導入されるようになっていった。2013年には、7万台が売られたとみられる。

 たしかに簡単な3Dプリンタでも、複雑な形のものを造形することができ、はじめて見た人はびっくりする。手術練習用の内臓模型、スキャナーと組み合わせての本人の立体像など、ほとんどの3次元形状を成形することができる。

 ただ、「どんな形のものでも作れる」、「これからは3Dを使いこなせないと時代遅れになる」、「大企業から個人の独創性の時代になる」、など過剰な期待も見られる。
 ほんとうに3Dプリンタは、モノづくりの革命になるのだろうか。

 じつは、これがほんとに実用化されるまでには、まだ多くの課題を解決しなければならない。

①3次元データ
 成型するためには、CADモデルが必要である。だが、そのデータ取得が難しい。
 出来合いの3次元データを使った編集はできても、まったく新しい形状の3Dモデリングを行うためには、専門的知識と3Dソフトが必要である。

②強度
 3Dプリンタは多くの場合、1枚づつ積み上げて成形していく。薄板積み上げのような構造のため、横方向の力は弱い。また使用材料も限定されているため、必要強度も制限される。

③表面粗さ
 積み重ね構造のため、プリンタ出力時は、その積み上げ跡が出てくる。後加工も可能だが、手作業でアセトンのような化学物質を使用する必要がある。

④材料コスト
 基本的に、形状にはかかわりなく大きいものほど高コストになる。
 まず樹脂材料費は、原材料よりはるかに高い。安いものでも5000円/1kgぐらい、高いものになると5万円/1kgする。

⑤時間コスト
 仕上げ工程を節約するため、積層厚さを薄くするといくらでも時間がかかってしまう。スピードを上げると段差が目立つ。
1個作る時間は、数十分~数十時間単位であり、量産によるコスト削減はない。

 3Dプリンタ市場というのは、まだ始まったばかりである。できることがどんどん増えていき、あらゆることが新鮮でユーザにとっては驚きの連続である。だが現実として、仕上がったパーツだけをみれば、従来のやり方でつくったものにはかなわない。

 これら多くの課題はあるとしても、3Dプリンタが世の中になくなることはない。とくに、試作品市場、限定数製造、医療、航空宇宙産業などの領域で成長していく可能性は大きい。今の時代に、数少ないイノベーションの芽を持つ技術である。
 3Dプリンタの持つ問題点を充分認識し、それをうまく使いこなしたところこそ、一歩先んじる。
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