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経営センスとは何か(27年1月20日)

 小規模企業こそが大経営者を作り上げる。支援機関は、「伯楽」にならなければならない

 経営はスキルではなく、センスであるという楠木健氏(一橋大教授)は、中央公論(26年12月号)で、つぎのように述べている。

①ビジネスマンには、「経営者」と「担当者」の2つのタイプがあり、カテゴリが異なる
②スキルを磨いてスーパー担当者になってもスーパー経営者にはなれない
③担当者にはスキルが求められ、経営者にはセンスが要求される
④スキルは部分における技能や知識で、センスは常に全体を問題にする
⑤スキルは努力し勉強すれば身につくが、センスを育てる体系的な方法はない
⑥経営者に必要なのは未改革の分野に乗り込んで、商売を立ち上げられる胆力を含むセンスである
⑦いくらスキルに優れた人がいても、このような経営者がいないとビジネスはうまくいかない
⑧経営者は育てるのでなく、育つような土壌の中で育つ
⑨具体的には子会社や事業部など、ビジネスを丸ごと行う組織で経験させる
⑩その事業の独立性は担保されていなければならない
⑪そのまかせる仕事の規模を、順次拡大していく
⑫その成功事例が、ユニクロや中国共産党、かっての自民党派閥である
⑬ソニーやパナソニックは、各事業での「経営者」が不足している(から低迷している)
⑭多くの企業の経営者は、「代表取締役担当者」にすぎない
⑮経営者の最大の仕事は、つぎの経営者が育つ土壌をつくることである

 この考えに、「なるほど」と思う人は多いだろう。私も納得する。

 では、小規模企業はどうするか。
 土壌を作って経営者を育てると言っても、小規模企業の場合は、いきなり「土壌」である。
 それに、いくら経営者にスキルはいらないと言っても、大企業と異なり分野ごとの専門スタッフがいるわけではない。小規模企業には、個別分野のスキルが決定的に不足している。それを補う、金融機関を含む支援機関、取引先などの支援がなければ、企業そのものが成り立たない。

 逆に言えば、その個別カテゴリーのスキルの支援さえあれば、小規模企業こそが本物の実践場となるはずである。経営者自らが、事業を拡大することによって、おのずとセンスも磨かれていく。
 下手な大企業の「土壌」より、はるかに恵まれている。
 本来ならば、小規模企業の経営者の中からどんどん「大経営者」が輩出されるはずである。

 もちろんそのような人は、若いうちから自らが大経営者になりたいと、強く思う必要がある。胆力と総合的な知見を身に着けたいと思う、強い意志である。それを可能にするだけの、多少の地頭もないと困る。

 支援機関(金融機関も)は、そのような人をきちんと見抜いて、適切な支援を行う「伯楽」にならなければならない。それがなされないのは、まさに支援するほうの怠慢である。
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