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二兎を追う(27年1月13日)

 「二兎を追う」というのは、財務省を騙すための方便。3年後の増税も廃止だ

 安倍内閣では、経済成長(デフレ脱却)と財政再建の両方、すなわち二兎を追おうとしている。
 いったい、そんなことができるのであろうか。アクセルとブレーキを同時に踏んだら、どんな車でもスピンしてしまう。いまは財政出動で、思い切りアクセルをふかす時なのではないのか。

 これまで当ブログでは、日本国の財政赤字はまったく問題ないということを、何度も述べてきた。財政赤字が増えるほど国民が豊かになる。
 このことは単純に、「お金は減らない」という、「質量保存の法則」から導いたことである。

 経済理論的には、ラーナーの機能的財政論に近い。若手論客の三橋貴明氏なども、この論に与している。

 ラーナーは、つぎのように言う。
『国債は、自国民が購入する「内国債」である場合には、その金利は、国民の負担とはならない。国債の償還金の支払い先は、国民だからである』

 すなわち中世の君主国家とは異なり、日本は国民主体の国家である。したがって、国家が富を増やすより、国民が豊かになったほうがいいに決まっている。健全財政を目的とするのは、近代以前の君主国家の発想にすぎない。

 これを否定する人は多い。なかにはラーナーや三橋氏を、ぼろくそにこき下ろす人もいる。
 その論拠はつぎのようなものである。

①国債を償還するためには、税金をその分余計に徴収する必要がある。徴税分国民負担が増える。仮に徴税せず、通貨発行権で返済をしたら、大幅なインフレとなる。

②貯蓄が内国債以外のほかの資産に投資されていれば、税金など支払うことなく、元本と収益を受け取り、全額消費することができる。その差が、将来世代にとっての負担となる。

 しかし、この論拠はおかしい。
 増税分はそのまま、内国債の元利支払いに回るので、将来世代は(世代全体としては)課税された額と同額を受け取る。それにもともと国民は、貯蓄という形で国債を持っているのだから、現金で返済してもらう必要はない。現金をもらっても、その瞬間にまた貯蓄するだけである。消費しても、同じことだ。

 さらに、貯蓄を内国債以外の資産に投資したとしても、収益どころか元本すら帰ってこない可能性がある。収益があがっているためには、どこからか収奪してくるか、経済成長によってマネーが膨らんでいなければならない。これは、財政出動で経済成長しても同じである。そもそも国民は、どこにも投資や消費することがないから貯蓄する。そうすると世の中は糞詰まりになるから、政府がその代りをしているだけである。

 それに、負担だけが将来世代に残るわけがない。国民の個人資産は、確実に相続されている。有り余るほど持っている人が、相続税を払うだけだ。
 いったい何が問題なのか。

 それよりも、財政規律を重んじるあまり、財政出動を見合わせることの方がはるかに怖い。
 なぜなら、財政出動をなくして需要を減らすということは、働く場=供給力がなくなるということだからである。そうなれば、経済成長はあり得なく、国債以外の投資先もなくなる。
 供給力が毀損されるということは、将来破壊的なインフレになる。

 日本が自立していく以上の供給力さえ維持していれば、いくら財政赤字でも国家は破たんしない。何度も言うが、国の財政赤字は、国民の富に他ならないからである。

 したがって、経済の成長と財政規律、この二兎を追うことはできないし、する必要はまったくない。

 では、なぜ政府はこんなことを言うのであろうか。政略的に考えてみる。
 「二兎を追う」というのは、財務省を騙すための、方便と考えれば納得できる。
 増税しか頭にない財務省は、「税務査察」という強力な権力を握っている。これに睨まれたら、浮かばれる人はいない。税金の申告で100%完璧な人などいないからだ。自民党の議員には、それをちらつかせてあるし、総理大臣といえども、必ず弱みがある。まともに強行突破をすれば、必ず「脱税」査察が入る。

 そのため、財政規律を守るという方便をちらつかせ、財務省を黙らせるという「高等戦術」を使っているのである。もちろん、2017年の消費増税もあり得ない
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