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1票の格差是正の不思議(12月17日)

1票の格差是正は、法曹界だけでなく、もっと国民の間での議論が必要である

≪人口比例に基づかない区割りで「一票の格差」が是正されないまま行われた14日の衆院選は憲法違反だとして、升永英俊弁護士らのグループが15日、全国すべての295選挙区の選挙無効を求める訴えを全国14の高裁・支部で起こした。選挙区全てについて無効請求訴訟が起こされるのは初めて。12月16日産経新聞デジタルより≫

 予想したように、さっそく1票の格差是正の訴訟事件が発生した。しかも今回は、選挙区すべてについて選挙無効を訴えている。

 なぜ法曹界がここまで執拗に格差是正を訴えるのか。単に「我こそは正義」という、幼児的な思い込みなのか。それとも、日本をめちゃくちゃにしようとする「極左」集団なのか。あるいは、大量に発生した弁護士養成のためなのか。
 たぶん、これらいくつかの要素が複雑にからんでいるのであろう。

 格差是正の理不尽さについては、本ブログでこれまで散々述べてきたから、参照していただきたい。ここでは、彼らの行動についての、矛盾や問題点を指摘しておこう。
                 学者バカ
①なぜ直接訴訟しなければならないのか
 今回もそうであるが、ほとんどの格差是正問題は、いきなり訴訟である。そのため、弁護士と裁判官の間の「空中戦」になってしまっている。ややこしい法律用語が飛び交い、われわれ国民にはその中身がほとんど見えてこない。
 上っ面だけ考えれば、1票の格差はないほうがいいに決まっている。誰でも最初はそう思う。ほんとうは、それほど単純でないのが世の中なのに、なぜ国民的議論を起こそうとしないのか。国民に深く考えてもらいたくないから、としか思えない。

②1票の格差をなくすとどんないいことがあるのか
 国民的議論が高まらないので、どのように格差を是正したいのか、さらに格差を是正するとどんなに良いことがあるのか、がまったく見えてこない。
 1票の格差をなくして、地方がますます過疎に悩み、ついに人っ子一人いなくなることを望んでいるのか。だれもいない地域なら、堂々と迷惑施設をおくことができる。それならそうと、はっきり言ってもらいたい。私は反対しない。NIMBYの権利意識の高い日本人には、これくらいの荒療治が必要だからである。

③国民審査という悪平等
 じつはこれら法律制定に関して、すでに1票の平等は確約されている。最高裁判官の国民審査である。
 いま「1票の不平等」を訴えている都市部の住民は、過半数を超えている。有効投票の過半数の不信任を与えれば、国民審査でその裁判官を罷免できる。そのため、すべての最高裁判官は、「1票の価値平等」を信条としなければならない。都市部の住民に逆らうと、罷免される恐れがあるからである。実際、12月14日に国民審査を受けた5人の裁判官、すべてそうであった。普通に考えれば、(いくら専門バカでも)5人のうち1~2人ぐらいは「1票の格差容認」であっていいはずなのに。
 すなわち、都市部だけの住民の意思によって、地方切り捨てという最高裁判官の判決の方向が決まってしまう。現実は、きわめて恐ろしいしくみになっているのである。

 したがって、格差是正の理不尽さを国民が理解するためには、①②③についての対策が必要である。
 すなわち、
①弁護士は、裁判所に訴える前に国民に対して訴えよ
②すなわち、どのように格差を是正するのか、是正するどうなるのかを、わかりやすく説明する
③日本の裁判が真の平等に近づくように、裁判官の罷免は国会議員の投票で行う
 
 もちろん、多くの人が何となく支持している「1票の格差是正論」にも、「3分の利」はある。どんな事柄でも、完璧なシロ・クロはあり得ない。
 しかし、最高裁裁判官ともあろう人の中にさえ、「1票の価値の平等は、唯一かつ絶対的な基準であるべき」(山本庸幸判事)という、極端な考えを持っている人がいる。このような状況は、どう考えても異常である。

 1票の価値をどうするかは、民主主義の根幹にかかわることである。もっとたくさんの人が、真剣に考え議論に参加すべきである。

 1票の格差容認については、専門的に幅広く考察しているサイトを発見した。本ブログとは異なり、冷静かつ論理的に論じている。ぜひご覧いただきたい。(今日の文も一部は受け売り)
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