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原発のゴミ(12月12日)

 すべての便益には必ず、負の側面が発生する。誰かがそれを引き受けなければ、社会は成り立たない

 12月10日のプライムニュースでは、原発ゴミの最終処分について、近藤駿介氏(原発環境整備機構)と田坂広志氏(多摩大教授)をゲストに議論を行っていた。原発ゴミの行き先が決まらない現状を踏まえ、その処分や処分地選定の方法についての内容である。

 原発ゴミの処分方法は、大きく2通りある。一つは廃棄物からプルトニウムや有価金属を取り出してガラス固化する方法、もう一つは、原発ゴミをそのまま埋設してしまう方法である。資源のない日本やフランスは前者、フィンランドやスェーデンは低コストである後者をとっている。
 その他に世界では、燃料ゴミをそのまま使える統合型原子炉の実用化が近い。

 ゲスト論客のうち田坂広志氏は、これまで原発運転に慎重な見解の持ち主だと思っていた。ところが、この放送を見た限り柔軟な意見を述べており、今回は彼の考え方に賛同する。

 番組での、田坂氏の見解をまとめよう。

①現時点で原発を廃止し選択肢を縮めるのはナンセンス
 将来のエネルギー事情は誰にもわからない。30年先の世界では、エネルギー消費に目覚めた100億近い人類がひしめいている可能性が大きく、エネルギー事情がひっ迫するかもしれない。いま原発という選択肢をなくすわけにはいかない。
 原発廃棄物にしても、将来はエネルギーとして活用できる可能性がある。したがって、処分方法は将来世代の選択肢を残せるようにしておきたい。

②日本で処理技術を蓄積しておくべき
 厭でも応でも、いずれ福島第一の放射性デブリ廃棄物は、処理しなければならない。日本での処理技術の蓄積が進まなければ、福島の処理もできない。
 また、原発の廃炉とゴミ処理は、これから世界中で大きな問題となる。日本が率先して廃炉や原発ゴミ処理技術のレベルを高めていくことによって、将来原発処理技術の輸出と世界貢献ができる。

③「NOT IN MAY BACKYARD」を排除しなければならない
 日本では、すべての国民は原発の恩恵を受けている。ところが、便益だけをむさぼって、「処分」という厭なことは、みな逃げ回っている。みんなが「権利」だけを享受して「義務」を果たさない社会は、成り立たない。
 フィンランドやスェーデンでは、比較的容易に最終処分地の決定がなされた。これは、「権利と義務」を理解した、意識の高い国民が多いからである。

 原発の廃棄物だけではない。すべてのエネルギー、すべての便益には必ず負の側面が発生する。誰かがそれを引き受けなければ、世の中に便益は発生しない。
 もし私が広大な土地を所有していたら、原発の廃棄物処理のため、喜んで提供する(ないことをいうのは卑怯と言われそう)。
 
 小泉元総理の「即原発廃止」などは、ポピュリズムどころか、ボケのたわごとの典型である。

           泥棒ひょっとこ
 原発には、以下のように圧倒的なメリットと、稼働させる理由がある。(再掲

1.原発は最もエネルギー密度の高い、効率的なエネルギーである
 エネルギー密度は、ある基準となる量あたりのエネルギーである。ウランは石炭の10万倍以上のエネルギー密度を有する。火力発電で一番効率の良い天然ガスの、4万6千倍以上もある。
 太陽光や風力発電に至っては、それを作るためのエネルギーと発生エネルギーのどちらが大きいかという議論をしている段階で、まったく問題外である(それに加え、不安定さを補うための蓄電池などのロスが大きい)。
 70億にも増えてしまった人間の生活を維持するには、原子力以外の選択肢はない(それ以外では必ず、資源をめぐって血みどろの争いになる)。

2.今あるエネルギー源のなかで、最も安価で安全なエネルギーである
 石油、石炭、天然ガス、ウランのなかで、原料調達コストが最も安いのは、ウランである。原料採掘時に、最も安全なのもウランである。昔、日本が石炭を主要燃料にしていたころ、炭鉱で毎年何百人もが犠牲になっていた。いまも資源産出国では、同じことが起きている。それを使う日本だけ、労災がなくなったと、喜んでいいのか。
 しかも、石炭・石油を燃料とする発電では、空気中にCO2以外にも、Nox、Soxなどの有害廃棄物が、大量に排出される。そのために死ぬ人は、原発1基分の火力発電所だけで、少なくとも年間数千人である。放射能では、(逃げた人以外)だれも死んでいない。事実がわかれば、原発の危険を煽り立てるのは、バカらしくなるはずだ。
 そして3.11の過酷事故によって、日本にはこれ以上ない原発の安全性についてのノウハウが蓄積された。

3.化石燃料、太陽光パネルの輸入は、日本を破滅させ、自殺者を倍増させる
 化石燃料、太陽光パネルは、国内で調達することができない。太陽光パネルのような人海戦術の組み立て製品も、中国に勝てるわけがない。技術開発が進む製品は、自動化ができないからだ。人手を安く使える中国のような、アジア諸国の独壇場である(ドイツの太陽光会社破綻がいい例である)。しかも、原材料のレアアースを、中国に握られている。

 したがって、原発をやめれば、化石燃料、太陽光パネルの支払いで、日本は貧乏国家に逆戻りとなる。貧乏国家では、今のような世界一の長寿は成り立たない。何千万の人が、経済破たんや餓えで死ぬ。貧乏な国ほど平均寿命が短い。
 「経済より命」などという反原発論は、ボケのたわごとである。第一、「経済」のバックがなければ、「除染」、「汚染水」など、放ったらかしになってしまう。

 現に、2011年を境に化石燃料の輸入が10兆円も増えている。原発停止で足元を見られ、増加分以外もバカ高い価格で買っているからである。これだけで、毎年GDP2%分以上が失われている。輸入量はそれほど増えていないが、これは電力不足のため国内で価値を生み出す力(おもに製造業)が毀損したということで、事態はさらに深刻である。
 おまけに、太陽光設備の輸入額は、年間数兆円規模にまで増えている。
 これらを合わせると、GDPの6~8%が流出しているとみられる。話半分としても3~4%である。 とても、アベノミクスでは追いつかない。

4.再生可能エネルギーは、自然破壊エネルギーである
 風力発電、太陽光エネルギー、地熱発電、水力発電など、すべて再生可能エネルギーと呼ばれるものは、自然が受けるエネルギーを、人間が横取りするものだ。太陽光発電装置などは、資源採取から作るときに発する放射性核種や、崩壊することのない毒素を持つ材料が、生物を蝕む。したがって、この割合が10%を超えるころには、原発など比ではない、ものすごい環境破壊が問題になる。
 現に、いま日本の国土のあちこちに、無機質な太陽光パネルの「大草原」が広がっている。これが日本中に拡大すると思うと、ぞっとする。そもそも、補助金と逆ザヤでしか成り立たない太陽光エネルギーが、世の中に価値をもたらすはずがない。

5.エネルギーは、国内でまかなう必要がある
 先の大戦の大きな原因の一つは、アメリカに石油を止められたことであった。エネルギーがないと生産活動が停滞し、多くの国民が死ぬ。エネルギーなしに、1.3億人の老人国家を養うことはできない。移民受け入れどころか、若者は食うために海外移転し、衰退が加速される。
 衰退した国家は、必ず侵略される。隣の国が虎視眈々と狙っている。
 したがって、日本が独立国家になるためには、どうしても自前のエネルギーを確保しなければならない。その選択肢を自ら失うのは、愚の骨頂である。日本を滅亡させようとしているとしか思えない。

6.原発は、まだコストダウンの余地が大いにある 
 電力会社員の給与は、国民怨嗟の対象である公務員よりさらに恵まれている。東京電力が、人件費のカットを行ったが、それでも公務員並みである。関連の天下り施設、交際接待費も桁外れである。聞くところによると、3.11のとき東電会長は、マスコミを大勢引き連れて、海外「豪遊」していたという。したがって、電力料金は、まだまだ下げることができる。企業年金など、とんでもない話だ。
 また、既存の原子力発電設備は、維持管理費だけで済む。使わなければ、だれかが穴埋めしなければならない。除染や廃炉に膨大なコストがかかったとしても、すべて国内でまかなえる。利権はあるとしても、これらはすべて国民の富となる。
  しかし、石油、石炭、天然ガス、太陽光パネルは外国から、国富を削って購入しなければならない。

7.放射線はそれほど危険ではない 
 3.11後の日本は、適度な放射線を浴びることができる国になった。手続きが面倒だが、仕事と居住環境さえ整備できれば、原発の近くに住みたい。補償金などいらない(おぞましいことに、いまや放射線のリスクそのものが、利権と化してしまっている)。 
 福島第一で、タンクから漏れる放射性物質を含んだ水を、「汚染水」というから、イメージが悪くなる。「ラジウムイオン水」と名前を変えたほうがいい。
 それに、放射線に強いDNAをもつ国民を増やすことは、国力の強化となる。

8. 原発100年の撤退戦に、最大限の資源を注入する必要がある 
 どのような場合でも、撤退のための活動は、推進するよりも、何倍も重要で難しい。たとえ日本が原発を全停止させたとしても、リスクがなくなるわけでは全くない。これまでに発生してしまった、莫大な量の放射性廃棄物の管理にしても、いったいだれがやるのか。
 つまり、原発を絶対安全に効率よく撤退するためには、人もお金も資源も、これまで以上につぎ込まなければならない。原発以外では、そのお金を生み出すことはできない。このしんがりを務めることのできる優秀な人材が、とくに重要である。そのためには、今の何十倍も原発従事者を、増やさなければならない。厄介者とされている核廃棄物を有効利用できる可能性も見えてきた。そもそも「毒」は「薬」なのだ。再生可能エネルギーより、はるかに実現性が高い。
 もし、原発の将来が見込めないとしたら、こんな難しい仕事をする人材が集まるわけがない。積極的に原発を推進し、その人材を育成するための、国民的機運を高める必要がある。
 原発から逃げていては、ますます原発リスクが増大する。

9.日本より隣の国の心配をしたほうがいい
 ほんの隣の国、韓国・中国が、原子炉の量産体制に入っている。中国などは、2050年までに100万KW級の原子炉を、じつに400基つくるという。つまり、毎年10基以上のペースで新設する。今のままでは、日本から原発関連の技術者が引き抜かれるのは、まちがいない。ますます日本には原発技術者がいなくなり、国内の原発リスクが増大する。
 その上、信頼性が低い原子炉がこれだけの数あるということは、事故を起こす確率は、日本よりはるかに高い。福島第一どころか、チェルノブイル級の事故が、頻発する可能性がある(すでに起こっているかもしれない)。日本と違って情報公開されないから、いつの間にか当事国のみならず日本まで、福島の何百倍もの放射線にさらされる。その危険性は、かなり高い。
 原発が嫌な人は、日本の原発再稼働より、隣の国の原発新設を阻止すべきではないのか。真剣に、そう思う。

10.日本からのオイルマネーが世界平和を乱している
 3.11以後、トチ狂った日本によって高騰したオイルマネーが、シリア内戦を拡大させてきた。つまり中東各国は、あり余るマネーでロシアや中国から膨大な武器を購入、それぞれの思惑で、シリア政府軍と反政府軍を援助している。この内戦では、10万人以上もの市民が犠牲になった。このかなりの部分は、日本にも責任がある。日本が原発を稼働させていれば、内戦はここまでひどくならなかった。
 今・現在も、日本の支払うオイルマネーが、米・露・中・仏・英・北鮮の武器商人を太らせ、世界各国に火種を撒き散らしている。日本が貧乏になるだけでは済まないのである。


 そもそも世の中に、絶対安全、ノーリスクなど、どこにもない。我々が日々摂取しなければ生きていけない食物にも、いろんな毒物が含まれている。

 たかが、一度の失敗に慄いて、貴重な資源を活用させないとは、なんという愚かで臆病な国民であろう。無知ゆえの残酷さも持っている。まちがいなく、その臆病さが国を滅ぼす。
 なんどもいう、直ちに原発を再稼働させなければならない。いますぐにでも動かせる原発は、10基以上ある。
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