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法人税減税の罠(10月27日)

 法人税の減税は、大企業にとってのメリットだけ。デフレと格差が広がり税収は落ちる

 いま政府税調で、法人税減税が検討されている。この減税によって、企業の海外投資の国内への引き戻し、海外からの投資拡大を目指し、結果的に税収増につながるという。

 ほんとに、このような効果があるのか。しがらみのない、素人の立場で考察してみたい。

 まず減税になると、企業は頑張って利益を拡大しようとする。
 そうすると、外注費などの仕入れ費用や人件費を削減するから、仕入先の企業(多くは中小企業)の収益が悪化するとともに、社員の待遇が悪くなる。
 また、法人税が低くなっても、中小企業の7~8割は赤字企業であるため、メリットは少ない。

 したがって、ざっと考えれば減税は大企業にメリットがあり、中小企業にはデメリットの方が多い。大企業の内部留保が膨らむだけであろう。そのうえ、直接の税収も落ちる。

 これでは、デフレに逆戻りである。

 一方、逆の見方もある。
 海外子会社との関係である。
 多くの大企業は、海外に関連の子会社を有している。大企業でなくとも、海外に子会社を持っている会社は多い。いまは海外の方が、法人税や利益配当金に対する税率も低いから、本社の利益はできるだけ海外の子会社に移そうとする。税務署が目を光らせているが、やり方はいくらでもある。
 当然、日本の会社の利益は少なくなる。

 そこで日本の法人税を、海外並みに低くすれば、本社利益を海外子会社に移そうとする動機はなくなる。本社の利益は増える。法人税減税の目的の一つである。
 
 この場合でも、海外に子会社を持っているような中堅~大企業にはメリットがあるが、赤字の国内企業には関係ない。むしろ大企業は、先ほどと同じ行動をとり、外注先や社員をいじめる。
 それに、利益が増えても減税で相殺されるから、トータルで税収が増えるかどうかわからない。まちがいなく言えるのは、大企業が内部留保を増やすだけである。

 また法人税が低くなっても、日本に投資しようとする企業がそれほどいるとは思えない。5%や10%税率が低くなっても、コストにはほとんど反映されないし、もともと日本での経費は高すぎる。

 これらを考慮すると、法人税減税は大企業にとってのメリットがあるだけである。国内での格差がますます広がり、全体として税収が伸びることはありえない。
 したがって今の状況では、法人税の減税をやってはいけない。
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