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「サ高住」の課題①(10月22日)

 ユーザーにとっての費用負担をどうするかが、この事業の成功のカギである

 いま、高齢者向けの住宅として注目されているのが、「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)である。この「サ高住」の創設にあたって、これまでのいわゆる「高円賃」、「高専賃」、「高優賃」の3施設は廃止された。有料老人ホームも、基準を満たせば、「サ高住」として登録できる。

 「サ高住」に一本化されたのは、以前の各施設における管轄範囲やサービス内容、医療機関との関係などがわかりづらかったからである。
 といっても、まだ一般には理解しにくい。

 そもそも「サ高住」は、介護施設ではない。
 介護や医療と連携はしても、基本的には住宅施設である。もちろん、高齢者の円滑な生活を支えるためだ。政府は介護施設の整備を重視してきたので、欧米に比べ、このような高齢者住宅の割合はきわめて低かった。イギリスやデンマークが8%あるのに比べ、日本は0.9%しかないという。

 そこで国交省は、この「サ高住」を創設し、2020年までにサービス付き住宅の割合を5%に高めることにした。今後10年間で60万戸の整備を目標に、新成長戦略にも盛り込まれている。
 なにしろ、現在の介護分野における社会給付額10兆円が、10年後には20兆円になると見込まれる。「サ高住」関連の事業だけで、そのかなりの部分を占めるはずだ。
 大きなビジネスチャンスでもある。
          七福神 勢ぞろい

 「サ高住」は、有料老人ホームのように入居の段階で高額の一時金を払う必要はなく、近隣の賃貸住宅と同じ相場での入居が可能である。食事などのサービスを受けることができ、下宿感覚で比較的気軽に入居できる。生活の自由度が高く、外出制限も緩やかである。
 高齢者向けであるから、バリアフリー構造で、多くの場合介護ステーションが併設されている。

 しかし、「サ高住」で提供されているサービス内容は、まちまちである。
 さらに、「サ高住」の入居費用が問題である。まず家賃と管理費、食費などを含めると月額15~16万円。医療や介護保険の自己負担分、遊興費、家具、室内調度などを含めると、18~20万円は欲しいところである。
 いくら近隣の賃貸相場と同じだといっても、現金収入の少ない、とくに地方の高齢者にとっては、負担増に感じる人が多いだろう。

 団塊世代以降、高齢者の社会保障給付は順次減らされている。厚生年金を満額もらっている人でも、一人せいぜい15万円。国民年金だけなら、5~6万円程度しかない。よほど蓄えがないと、「サ高住」に入るのは不安である。また金持ち老人は、普通の「サ高住」など見向きもしない。

 ビジネスチャンスといっても、「サ高住」の事業を始めようとする人は、そのギャップを埋める必要がある。いいアイデアはないか、考えてみよう。(次回「サ高住」の課題②へ)
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