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点より線の観光(10月11日)

 名所旧跡を「点」で見るだけなら、そこを案内したい人の思惑が押し付けられるだけ

 秋晴れの平日、奈良盆地の「山の辺の道」を歩いた。
 JR天理駅で下車し、三輪駅まで約13キロ。険しくはないが、上り下りの多い山里道である。
 飛鳥から平城に至る歴史の道として有名。古代天皇が開いた神社や仏寺、天皇が葬られている巨大な古墳が、つぎつぎと現れる。

 景行天皇の陵 全長300M 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影  柿の収穫 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影  つい目の前に 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影

 そして奈良は、柿の産地である。すぐ手を伸ばせば届くところに、わんさかいい色の実が生っている。ミカンやカボス、アケビもある。周りに人の気配はない。もぎ取りたい誘惑を、自制するのが大変である。罪つくりな道だ。

 でも、良心の呵責に悩まされながら、柿やミカンをチョロマカす必要はない。
 格安で、いくらでも買える。

 道ばたには、いたるところ、季節の野菜や果物の無人販売所が設置されている。柿やミカン、茄子、枝豆、イモ類、トマト、インゲン、無花果、アケビなどである。
 ほとんどが一袋100円と、買いやすい。ミカンなら、5~6個から10個以上、柿も3~6個、なすは7~10個入っており、市価の半分以下である(写真下)。

 数量のばらつきはご愛嬌として、狭い道を一日数百人が通行するから、必ず注目される。一か所少なくとも、5~6千円は売れる。休日なら数万円いくだろう。そこそこの現金収入である。格安でも、農家にとっては市場に出荷するより利幅が大きいはず(税務署が目を光らせているかも)。

 ややこしい歴史の説明は頭が痛くなるが、目の前の産物を物色して歩くのは楽しい。こんなことなら、もっと大きいリュックを持ってくれば良かった。それでも800円でこれだけ買えた (写真右下)。

 山盛りで100円 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影  売り切れまぢか 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影  800円の買い物 奈良山の辺の道 H26.10.10撮影

 13キロもの道を歩くと、連続していろんなものを見るし、自分が知りたいものを知ることができる。これまで奈良は、数回訪問したが、このように歩いたことはなかった。
 車で移動すれば、名所旧跡を「点」で見るだけである。その場合、そこを案内したい人の思惑が押し付けられる。行った人が、知りたいことを生で見ることは難しい。

 もっとも私が歩いた道は、特別に旧跡が保存されているところなのであろう。10キロ以上も、連続して歴史の雰囲気が感じられるのは素晴らしい。
 それでも観光客にとって、点よりは線の観光のほうが、深みがある。歩くのはいい。
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