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3K業務の改善(9月17日)

  個人に光を当てた番組が増えれば、日本のものづくり職人が、育っていく

 15日のNHK番組、「プロフェッショナル仕事の流儀」では、新潟県燕市にある小林研業の研磨職人を取り上げていた。

 新潟県燕市は、昔から金属加工の産地として知られている。円高で洋食器の生産が落ち込み、その加工技術を生かし再生をはかってきた。いろんな分野の商品開発を行った企業もあれば、小林研業のように、加工技術を極めたところもある。

 この会社が注目されたのは、13年前アップルのipodのボディを磨いてからである。金属加工の経験者なら、広い平面を歪みなく仕上げるのが、いかに難しいかわかるはずだ。
 それが紹介され、全国から研磨の依頼が殺到するようになったという。

 研磨は、バリ取りと並んで、ものづくりにおける「縁の下の力持ち」である。
 見た目の良さだけではない。表面の光沢状態が悪いと、雑菌が付着する。食品機械や医療機械に使用される場合には、致命的である。さらに、部品の強度にも影響する。
 このように、日本のものづくりの多くは、繊細な磨き加工に支えられている。

 しかしこれまで、小林研業のような金属加工とくに研磨作業は、作業環境が劣悪で、3k業務の親玉といわれてきた。磨きなどの仕上げ作業を行う人は激減しており、深刻な人手不足である。
 この状態が続けば、最大の強みであった仕上げ加工の卓越さが失われ、日本製品の競争力がなくなってしまう。

 では、小林研業はどうか。
 この会社は、新潟平野の田んぼの真ん中で、農家を兼業している。古びた隙間だらけの工場である。
 研磨屑の屋外への排出や、マスクなしでの作業環境も怪しい。長男が跡継ぎを嫌がっていることからも、高収益・高待遇の会社だとは思えない。
 NHKは、持ち上げすぎのような気もする。

 それでも小林研業では、3~4人の若手職人が研磨作業をしていた。有名になった社長の小林氏をめざしているのだろう。
 近年職人の世界でも、個人を取り上げて花形スターを作り上げようとしている。「楯・鉾」や「超絶・凄ワザ」などである。これらのような、職人に光を当てた番組が増えると、「個人」が注目される。

 NHKの番組も、組織にスポットを当てる「プロジェクトX」から、個人を注視する「プロフェッショナル仕事の流儀」に変わった。
 世間の見方が変わっていかなければ、日本でものづくり職人は育たない。
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