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発祥の地(9月9日)

 「ふるさと納税やコシヒカリは、福井から始まった」と強調すれば、どこかの国と同じになってしまう

  福井県の西川知事が、「ふるさと納税」について苦言を呈したという、TVニュースをみた。

 自分の故郷だけでなく、応援したい自治体に寄付をする「ふるさと納税」制度がスタートして5年たつ。寄付した自治体から、お礼に特産品などが贈られる特典も増え、認知度も拡大した。
 この制度は、西川知事が提案したそうだ。それがいまになって、あまりにも過熱気味ではないかという。

 たしかに、納税者に米1俵などの特典内容もさることながら、少しの自己負担で多額の産品がもらえてしまう。たとえば、最終的に2千円の自己負担で、5千円相当の米やら肉、みそ、醤油などが贈られるという。
 もともとこの納税制度は、地方自治の原則に反するなどとして、専門家からの批判が多い。

 これら制度上の矛盾や批判は別として、西川知事の本音は違うのではないか。
 もともと自分が考えた制度なのに、他の地域にお株を奪われてしまった。特典で納税を促すのは、ずるいのではないかというわけである(県知事として、そう思われる人徳は残念である)。

 同じように、「コシヒカリ」がある。
 このコメも、最初は福井の農業試験所でつくられ、全国に広がった。
 ところが、魚沼コシヒカリなど他県産は有名になり、福井産のコシヒカリはさっぱりである。人気がないから、米価も上がらない。そのため福井では、大枚をはたいてキャンペーンを実施することにした。

 どちらの場合も、最初に発案した福井がスルーされ、他県が大ブレイクしている。ごまんとあるネタの一つを取り上げ、大変な能力と実行力を発揮して事業にまで発展させ、成功させたからである。

 発案だけならだれでもできる。だがそれを実際に運用し、事業から収益にまで結びつけることは、きわめて難しい。
 素直に他県の知恵と努力を認めたらよいと思う。そして、そのいいとこどりをしよう。

 「ふるさと納税やコシヒカリは、福井から始まった」などと、自らは言わない方がいい。事業能力がないのを見透かされるだけで、見苦しい。そんなことをすれば、相撲や柔道が起源だという、どこかの国と同じと思われてしまう。

 いくら発祥の地でも、謙虚でなければ煙たがられる。ここは日本なのだ。
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