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医療分野の貿易赤字(5月1日)

 患者自身がその治療費の内容に関心を持たなければ、2兆円もの医療品貿易赤字はなくならない

 4月28日のフジテレビ・プライムニュースで、医療関連の貿易赤字について取り上げられていた。
 一部引用する。

≪日本には多くの医療機器メーカーが存在し、新製品開発に向けた努力が続けられている。しかし、医療機器について輸出入の収支で見ると、日本は年間5000億円の赤字となっている。また、新薬の認可についても他の医療技術先進国と比べて長い時間が掛かり、同時に研究を開始したとしても、実用化に立ち後れるケースが多い。≫

 医薬品については年間1.5兆円の赤字で、しかもそれが「鰐の口」のごとく、年々大きくなっている。現時点で、医療機器と医薬品を合わせ、じつに年間2兆円もの貿易赤字である。これまでは、家電や自動車の貿易黒字の陰で目立たなかったが、家電業界の不振や原油・天然ガスの輸入増などで、この赤字が日本経済に、重くのしかかっている。
 これについてコメンテーターは、国内医療機関の連携不備や許認可の問題など、政策的な立場からもっともな意見を述べていた。欧米諸国では、人種・経済差別によって治験(人体実験?)がなされているという、人道にかかわる問題も提起されていた。
 しかしここでは、別な観点から原因と解決策を考えてみたい。以下、私自身の「下司の勘繰り」ならいいのだが。

 国内の医療関連のGDPは、年間50兆円にもなる。その中に入ってお金を動かしている医療関係者にとって、2兆円と言っても「たった」4%にしか過ぎない。しかも彼らにとって、医療機器や医薬品が外国産だろうがなんだろうが、関係ない。その商品を扱うことによって、どれだけ「さや」を抜けるかが問題なのだ。もちろん高いものを扱うほど、「さや」が大きくなる。その点、外国製品は異常に高い。高くとも、お金は健康保険が払ってくれる。そのため日本のユーザーは、ほとんど医療費の多寡を気にしないことも大きい。
 医者は儲かるが、医療会計的には致命的である。もしかしたら、医師会がTPPに反対する本当の理由は、ここにあるのではないか。

 具体例を挙げる。鯖江のある眼鏡部品工場は、チタン(生体適合性が高い)の加工技術を活かして、多くの分野の医療工具を製作する能力がある。しかし、その工場で作れる部品と同じものを、医療関係者は海外のメーカーから、その工場コストの何倍もの値段で買っているのである。
 鯖江の部品工場は、その外国部品よりいいものを安く作る技術はあっても、国内の認可が取れない。(天下り法人がらみの)日本の医療認可は、小規模事業者にとってお金もかかり、また極めて難しい。もっと重要なことは、医療関係者とくに医者自身が、国内業者から医療品を買うのを、なにかと渋っているようなふしがあることだ。たとえいいものでも、安価なものは使いたくないのであろう。これまでのしがらみ、そして利権の匂いがプンプンする。
 悪いことには、医療品の良い悪いの判断を、ユーザー(患者)ではなく、医療関係者しかできないような仕組みになっているのだ。

 こんなことは、医療当事者の口からは、絶対言わない。もちろん、プライムニュースの参加者も口を拭っていた。格好いいことを言っているだけだ。
 そこでどうするか。
 健康保険を見直し、思い切って患者負担率を上げるのがいい。高齢者も3割程度は負担すべきである。そうすれば、患者自身がその治療費の内容に、関心を持つ。治療や医療品の品質にもうるさくなる。2兆円程度の赤字は、あっという間に半分以下になるであろう。1兆円もあれば、貧困者に対する医療費は還元できる。患者にとって多少支払いが高くなっても、外国に支払うよりいい。金は天下の周りものだ。国内でお金を回せば、すぐ自分に返ってくる。
 
 もっといいことは、供給者(医療品製作者)と顧客(患者)が近くなり、風通しが良くなり医療品の品質が向上する。国民に対して、最大多数の利益、幸福がもたらされるはずである。

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