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技術情報漏えい(8月22日)

 ものづくりの重要性を国民すべてが認識し、つねに他社より先を考えた技術開発を続ける必要がある

 前に述べたように、通信教育大手ベネッセホールディングスは、個人情報の漏えいの対応で、200億円の出費を覚悟している。

 ところで、情報漏えいでほんとに問題なのは、技術情報の漏えいである。
 VOICE6月号に掲載された、中田幸彦氏の「東芝VSハイニエックス事件からの教訓」によると、数年前東芝の半導体メモリの研究データが、韓国の半導体大手「ハイニックス半導体」に流れた。これで東芝は、1000億円以上の損害が発生したという。また新日鐵は、韓国鉄鋼大手ポスコ等を相手に、高性能鋼板の製造技術を不正取得した、と告訴している。

 ベネッセの場合のように、USBメモリなど簡単で大容量のデータを高速保存できる技術進歩が、技術流出を極めて容易にしている。
 したがって、このような不正技術流出はほんの氷山の一角であろう。

 不正技術でなくとも、早期退職者を通しての技術移転、装置メーカーを関しての技術流出、企業間提携などによる技術流出は後をたたない。
 日本企業の、秘密情報の保護に関する姿勢からも、情報流出を完全に防ぐことは困難であろう。
 
 では、日本企業はどうすればいいのか。ただでさえ、中国や韓国企業に脅かされているのに、せっかく開発したノウハウが流れてしまえば、目も当てられない。

 もちろんこれまで以上に、企業の情報管理を厳密に行う必要がある。
 しかし、それだけではだめだ。後発は常に有利である。これまでのような優位性を持続することはできない。
 必要なことは、絶えず開発を継続させることである。情報が流出した時点で、それがすでに陳腐化していれば、大きな問題にはならない。中田氏の言うように、技術流出の根本対策は、「つねに他社より先を考えて進むこと」に他ならない。

 そのためには、日本が本来持っていた職人や技術者に対する待遇を改善し、ものづくり(働くこと)の重要性を国民すべてが認識することである。
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