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壮大なムダ(7月15日)

 7つのムダは、組織内より社会全体でのほうがはるかに大きい。外国人労働者の大量流入は、ムダを増長させ国際競争力を削いでしまう

 昔から製造現場では、次の7つのムダが指摘されてきた。
(1).つくりすぎのムダ
(2).在庫のムダ
(3).運搬のムダ
(4).動作のムダ
(5).加工のムダ
(6).不良を作るムダ
(7).手待ちのムダ

 これは、一つの組織内でのことをイメージする人が多い。ところがこの7つのムダは、組織内より社会全体でのほうがはるかに大きい。

 ある商品を考えてみよう。

 原料会社→素材会社→部品会社→組立メーカー→問屋→小売店→消費者
 
 このようにほとんどの商品は、消費者の手元に渡るまで、多段階に流通する。この各段階で、先ほどのムダが大量に発生する。組織が独立しているぶん、このムダは組織内のものよりはるかに大きい。
 
 たとえば数量である。消費者個人が購入するのは、普通一つである。消費者に選択してもらうためには、小売店は色やサイズ違いなど、10個揃えておかなければならない。そこで問屋には、ロスを見込んで12個発注する。問屋は組立メーカーに14個発注する。組立メーカーは、部品会社に16個発注する。段階ごとに数が増えていく。おおもとの原料会社に行くときには、とんでもない数量になる。
 しかもそれぞれのメーカー内では、注文を受けた分以上に作ってしまう。
 この流通の多段階構造の中で、どんどん余分なものが作られていくのである。

 品質も同じである。
 消費者が求める品質水準より、小売店はやや高い品質のものを提供しようとする。お客の期待を超えるものを提供するのは、商売の基本である。
 さらに、小売店に製品を供給する問屋も、小売店の求めるものより少し高品質のものを提供しようとする。それをまた、組立メーカーに求める。組立メーカーはさらに、それ以上のものを部品会社に求める。
 もっとも、原料会社や素材会社は大企業が多く、品質要求など通らない。そこで零細企業である部品会社は、無理難題を抱え込まなければならない。その過剰品質こそが、中小企業を苦しませている。
 なんということはない。消費者は、零細企業が苦しんでいる品質など望んでいないかもしれない。

 したがって意欲ある企業は、この流通の多段階構造から逃れようとあがく。ユニクロのように、うまくいく会社もあれば、たいていあえなく沈没する。


 うまくいったとしても、問題はある。
 日本中が一気にユニクロになったらどうか。失業者が溢れまくる。これまで、流通の多段階構造のムダの中で、大勢の人が糊口を凌いでいたからである。いわゆる「合成の誤謬」である。 
 政治はそうならないような対策を打たねばならない。民間は、余った労働力を活かす産業を興す。

 したがってどう考えても、外国人労働者の大量流入は、多段階構造のムダを増長させ、国際競争力を削いでしまう。国内経済を大混乱に陥れるこのような政策は、愚の骨頂である。
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