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物語を売る(6月27日)

 佐村河内氏の音楽は、「物語マーケティング」が成功した。騙したのは悪いが、実害はない

 佐村河内氏のゴーストライターが公になった時、私は「その作品が本当に素晴らしいなら、だれが作ったとしてもいい」と書いた

 正論はそうなのだが、現実は違う。世の中のモノやサービスの良し悪しは、それ自身だけにあるのではない。とくに、音楽のような芸術作品をわかる人は少ない。ユーザの好みの違いも大きい。優劣をつけようがない。

 では、その「商品」の価値は、どう判断するか。
 周辺の付随するもの、その商品以外で見つけるしかない。
 たとえば、販売手法の一つに「物語マーケティング」がある。つくりあげた物語に、お客の感情を移入させ、その心理をくすぐりながら展開するマーケティングのテクニックである。

 いくら言葉だけで品質が良いことを謳ったところで、なかなか信じてもらえない。ストーリーを通じて伝えると、売り込みされているという心理的な壁が取り除かれる。売り手の伝えたいことがスムースに顧客に伝わる。

 そこで、企業が消費者の心をつかみ、ブランド価値を高めるためには、商品の背景にある「物語」を積極的にコミュニケーションし、消費者と共有する。優れたストーリーは、読み手や聞き手を引き込み、感情を刺激し、共感を起こして、行動を促す。これが、「物語マーケティング」である。

 したがって佐村河内氏の音楽は、「物語マーケティング」が成功したのである。騙したのは悪いが、実害がないだけに、「詐欺」とまではいかないだろう。
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