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地域電気店の経営(6月26日)

 高齢の、近隣住民に合わせて事業を継続、縮小~廃業する。自然体でいこう

 当店は、昭和50年代に福井市郊外に家電の店として創業。60歳になろうとする代表者夫婦が営んでいる。代表者が修理や取り付け、奥方は経理・顧客管理などの総務・営業を行っている。
 約10坪の店舗で、冷蔵庫やエアコンなどの家電商品の販売・据付をメインに、住宅リフォームの仕事も増えている。大手家電メーカーの特約店であるが、他メーカー品の販売も行う。
 顧客は、周辺数キロ範囲の地域住民と車で20~30分の福井市内住民が、ほぼ半分づつ。典型的な、地域の電気屋さんである。

【経営環境】
 日本の家電小売市場規模は、2013年で約7兆4,400億円。2014年は4月の消費増税に向けて駆け込み需要があり、いまはその反動で、若干落ち込んでいる。
 大型店の郊外展開、無店舗販売(インターネット・TV通信販売等)の急速な増加など、販売チャネルが多様化し、当店のような地域電器店は減少している。当店の近隣(車で5~6分)にも昨年、大手量販店が開店した。
 さらに近年の家電は、デジタル化が進み、修理より交換の割合が高い。

 一方、近隣住民の高齢化が進んでおり、当店の固定客のほとんどは、60歳以上の世帯である。地域電器店には、この高齢者世帯における電気の安全・安心の確保や、省エネ製品の普及推進などに応える地域アドバイザーとしての役割が期待されている。
 近年クローズアップされている、車を持たない高齢者の「買い物難民」への対応からも、身近な地域電器店の存在は重要性を増している。

【当店の強み】
 その中で、当店はつぎのような特徴を持っている。
①きめ細かなサービスと豊富な商品知識
 当店は、地域に密着したサービスが提供できる電器店(販売、修理だけでなく地域の行事などに気軽に参加する店)としての、評価が定着している。連絡を受けてから1日以内の対応を行っている。専門技術者の代表者は、電気の色々な事にくわしく、丁寧な仕事をしている。

②顧客との長い付き合いによる信頼関係
 近隣には、開店から順次取引した顧客が多く、代表者とほぼ同年代である。長い付き合いで、電器製品及び設置についてはすべて相談しながら購入しているため、安心と信頼を得ている。
これらは、家電量販店にはできない、地域電器店の本質的な強みである。顧客の絶対数が少ないため、売上は減少し続けているが。

【これからどうするか】
 これまで、既存客の割合は、近隣地域と福井市内がほぼ同数であった。今後の当店の方針は、重点的に近隣地域住民の顧客を取り込むことである。

 そのために、つぎのような取り組みを行う。
①店内での定期イベントの開催
 定期的に店内で、料理教室、健康フェア、美顔講習などのイベントや抽選会を実施し、とくに、徒歩でしか動けない住民を集める。チラシの配布、HPの案内、地域内の他の商店との連携活動を行っていく。

②店舗イメージの刷新
 サービススペースの設置など、店舗イメージを刷新する。店舗内照明を明るくし、調理台や流し台を設置して、イベントが実施でき、近隣の人たちが気楽に集えるような場をつくる。

 残念ながら、今のところ後継者はいない。地域の顧客も、高齢者が多い。したがって、近隣住民の減少とともに事業を縮小し、やがて廃業するのもいい。顧客に合わせるのである。

 ただ、地域住民も高齢者ばかりではない。団地形成など新しい動きもある。当店が完全に地域に溶け込んでしまえば、なにより地域の人が離さない。経営体質が強化されれば、他の企業に勤めている子息も戻ってくるかもしれない。
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