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遠足バスの手配ミス(5月9日)

 重要なのは、ミスを全体でカバーする風土を、組織が持っていることである

 遠足バスの手配を忘れた旅行会社員が、遠足を中止させようとニセの手紙を学校に送っていた事件があった。
 JTBの男性社員が、高校の遠足のための大型バス手配ミスをごまかすため、遠足が中止になるように、生徒が自殺を示唆する手紙を学校に届けた。「遠足に行くのが死ぬほどつらい。消えたい。中止してほしい」と書いた手紙を、学校の玄関のところに落ちていたとして、学校に届けたという。ところが学校は、遠足を決行することにしたため、社員の行動がばれてしまった。
 観光庁が営業停止処分の検討するなど、騒ぎが大きくなり、社員は解雇された。

 この場合、細工がうまくいって遠足が中止になっても、いずれこの社員の手配ミスはばれる。ミスをウソで隠そうとしても泥沼である。この事件で、そのことを改めて思い知らされた。

 この社員の心情はよくわかる。自分一人の思い違いで、何百人に影響するなど、あってはならない。
 それに、仕事でミスをしてしまうことは、誰にでもある。それを隠そうと、ウソをついてしまった覚えも皆あるはずだ。それで済む場合も確かにあるが、ほとんどの場合よからぬことになる
 では、このようなミスをしたとき、どのようにすればいいのだろうか。

 前日に、「バスの手配を忘れた」と気づいたとき、どうすればよかったのか。
 ひとりで抱え込んでしまったのが、大きなまちがいであった。会社の上司や同僚、場合によってはライバル会社にでも、「絶体絶命のピンチ」ということを知らせ、力を貸してもらう必要があった。ぼろくそに怒られはしても、なんとかなるものである(当然、個別の採算は度外視である)。原理的には、日本中探せば、余っているバスや乗務員はたくさんいる。針の筵ではあろうが、高校への連絡も必要であった。

 それができなかったのは、もちろん個人の資質である。だが、それで終わらせてはいけない。このような人はいくらでもいる。

 では根本的には、何をすればいいのか。
 組織の改革である。重要なのは、ミスを全体でカバーする風土が、その組織にあったかどうかである。組織に、常日頃から失敗を受け入れる風土があれば、このようなことはなかったであろう。
 良い組織はつぎのような合言葉を持っている。 「悪い情報ほど、とにかく早く」

 もともと、失敗を評価し、許容する姿勢がないと組織は伸びることができない。誰もが恐ろしくて、失敗しないような仕事しかしないからである。そうすると、その企業・組織からは新しいものが生まれない。

 このようなミスやトラブルは、誰にでもあるということを前提に、仕組みや風土を改善していく必要がある。そしてこれは、われわれ国民全体にもあてはまることなのである。

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