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核武装の現実(5月6日)

 日本が、永久に核を持たないという選択肢など、あるはずがない

 ウクライナ紛争が、拡大している。
 ウクライナは、ソ連が崩壊したときは、核保有国であった。しかしその後、核不拡散条約(NPT)に加盟、核を放棄する方針を決定し、核弾頭は96年までに、廃棄されるか、もしくはロシアへ移管された。大陸弾道弾のサイロも、使用不可能な状態にされた。

 ウクライナが核兵器を放棄したのと引き換えに、アメリカ、イギリス、ロシアは、「ウクライナの独立と領土、既存の国境線を尊重し、領土保全や政治的独立を損ねるような、脅し、軍事力の行使、経済的強制策について自制する」と、明確に約束した。ブダペスト覚書である。

 ところが今年3月、ロシアはクリミア半島を編入し、国境線の変更を行った。それに対し、今のところ米・英は、軍事力を行使していない。ロシアによるクリミア編入は、ブダペスト覚書に反していると批判されているにかかわらず、「世界」はロシアによる国境線変更を止めることができなかったのである。

 ここで、ウクライナが核兵器を放棄せず、核保有国のままだったならば、どうか。歴史に「もし」があれば、これほど短期間でウクライナがクリミア半島を「奪われる」ことにはならなかったのではないか。
 結局ウクライナは、核兵器を放棄した単なる弱小国になってしまった。

 イラクと北朝鮮を見ればわかる。核を持たない国は攻め込まれ、核を持つ国は、最貧国でも存続する。


 領土問題だけではない。
 昭和初期、大阪経済人である小林一三氏は、随筆で次のようなことを書いたことがある。
「ロンドン、ニューヨークに商売の手を広げて毎度痛感することだが、黄色人種のわれわれに対し、白人がとにもかくにも商売上の約束を守って代金を支払ってくれるのは、ひとえにわが日本に『陸奥』や『長門』をはじめとする、侮ることのできない巨大戦艦があるからである。」
 日本に力がなければ、相手はどんないちゃもんでも、つけてくる。これが世界の現実である。

 たとえばいま、アメリカでは日本企業に対し巨大訴訟が続いている。最近、武田薬品工業とその関連会社に対し、総額1兆円近い損害賠償の評決が下った。
 また1996年に米国三菱自動車製造が米の雇用機会均等委員会 から提訴され、1999年には東芝のパソコンがテキサス州連邦裁判所で損害賠償を起こされた事件など、いずれも最終的には和解で、多額のカネをふんだくられた。無実でも訴訟で勝てる見込みはないので、泣く泣く和解に応じ、巨額のカネを払ったという。

 中国・韓国は言うに及ばずである。
 最近も中国は、戦時中の強制連行をめぐり、日本企業を相手取った訴訟に関連して、浙江省に停泊中の商船三井の船舶を差し押さえるという暴挙に出た。今後も日本企業が敗訴した場合、資産を差し押さえられる可能性もある。

 核を持たないということが、世界の中でどんな意味を持つのか考えてみたい。日本が、永久に核を持たないという選択肢など、あるはずがない。
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