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原発再稼働にむけて(3月19日)

 今の政治家は、不合理な感情に流されることなく、論理的に物事を進めている。ただ、マスコミと国民の乱心が気がかりである

 原子力規制委員会の安全審査が大詰めになり、またぞろ原発反対者の活動が活発になってきた。まだ国民の原発アレルギーは、癒えていない。反原発者の理不尽な意見が通ってしまうかもしれない。そうなったら、日本はおしまいである。

 幸い今の政権は、不合理な感情に流されることなく、論理的に物事を進めている。一応安心だが、マスコミとそれに煽られた国民の乱心が気がかりである。

 そこで、先週も少し述べたが、世界的放射線治療の権威ロバート・ピーター・ゲイル氏の著作、「放射線と冷静に向き合いたいみなさんへ」(早川書房)の一部を(私の見解を含めて)紹介しよう。原発反対者の最大の根拠が、異常な放射線恐怖にあるからである。この本は、客観的・包括的に原子力や放射線のことを述べた良書である。
 ここでは、放射線の人体リスクについては、省略した。安全だというデータは、他にいくらでもあるし、いくら安全だと言っても、信じなかったら意味がないからである。

①世の中に安全なものなどあり得ない。
 同じ電力を発電した場合、それが原因で亡くなる人の割合は、原発を1とすると、石炭500倍、石油360倍、天然ガス60倍である。事故が起こったときも、これら化石燃料発電は、原発の6~10倍の高い死亡率を有している。
 また日本では、原発がフル稼働した場合、使用済み燃料が年間約1000トン発生する。石炭発電による水銀入り使用済み燃料は、その原発の10万~100万倍もの量になる。あまり知られてはいないが、石炭残渣からは20万~1000万ベクレル/トンもの放射線が発生している。
 廃棄物といえば、全世界で毎年4~5億tの有害廃棄物が発生し、その多くが人知れず葬り去られている。どこにあるかわからないのである。管理された原発の使用済み燃料より、よほど危険である。
 さらに太陽光発電こそ、装置を作るために膨大な資源採取と廃棄を行い、大量のエネルギーを使う。製造段階では、原発に匹敵する放射線を出すという試算もある。日本では、高額買取制度のおかげで、地上げ屋が跋扈し、広大な里山や農地が蹂躙されかかっている。
 そしていま、日本の周りの放射能汚染は、すべて福島第一のせいにされてしまっている。それこそ危険極まりないのではないか。

②海への放射能汚染
 海にたどりついた放射性核種は、一気に薄まり、魚や海草へのリスクを下げる。セシウム137などの放射性核種はカリウムに似ているため、魚介類の生体に入り込むには、何兆倍ものカリウムと競わなければならない。吸収されても、すみやかに排泄される。放射性物質が海にたどりつくことは、思ったより危険でない。
 忘れてならないのは、1946年から1972年まで、多くの国が意図的に大量の放射性物質(沈めた原潜も合む)を海に投棄したことである。また、1945年から1980年まで行なわれていた大気圈内核実験によって、大量の放射性物質が海にたまった。
 そして海には、ウラン、トリウム、ラジウムなどの放射性元素が地中から運ばれており、もともと天然のカリウム40も大量に含まれている。海が自然の状態で持っている放射能の総量は、14ゼタ(1兆×10億)ベクレルである。福島第一の汚染水が流れても、蚊が刺した程度にもならない。
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③原発テロより怖い核テロ
 現在世界が恐れているのは、原発テロよりも、むしろ「汚い爆弾」テロである。世界には無数に放射性物質が散らばっている。病院や研究室にある、がん治療器や放射線殺菌器などである。これらが盗まれ、線源を取り外されたらどうなるか。さらに、それを通常の爆弾で爆発させれば、放射性物質は、一気に数キロ範囲に拡散する(その前にテロ実行者は高線量被ばくするが)。
 もっとも、市民にとって危険なのは、直後に広まる混乱やパニックである。医療機関には、実際に放射線被ばくした人(それでも死ぬ人はまれである)の、何百倍もの思い込み患者が殺到する。それが他の地域にも飛び火して、収拾がつかなくなる。今の福島にやや似ている。
 これを防ぐのに、すべての放射線装置を隔離することは不可能である。回避する方法はただ一つ。市民が放射能を恐れないことである。

④なぜ人々は、原発や放射能を怖がるのか
 人々の脳は、合理的な要因より、感情的な要因のほうに重きを置くからである。そして、事故が起きたことのことばかり考える。多くの人が、自動車事故で死ぬより、飛行機の墜落事故で死ぬほうを怖がるのと似ている。また反原発者が発信する、非常に誇張された記事や映像が、人々の恐怖を募らせる。
 通常の発電量単位では、石炭火力発電のほうが原子力発電より3倍多く放射性物質を放っているし、石炭火力を主とする大気汚染では年間320万人もの死者が出ている。原発事故が起こったとしても、あのチェルノブイリ事故の死者数ですら、飛行機事故で亡くなった人の数に遠く及ばないというのに。 
 それに、ひとたび結論に達すると、意見を変えるのは難しい。最初に刷り込まれた「放射能怖い」のイメージが抜けきらない。放射能の安全性を主張する人がいれば、「御用学者だ」と決めつける。私自身も、3.11のとき「さすがに原発はもうダメだ」と思ってから、考えを改めるのに半年かかった。

 確かに、原発利権や不祥事隠しなどは言語道断だし、私も怒りを覚える(いまは自然エネルギー利権のほうが大きいが)。しかし、ものごとの本質を見誤ると、日本の行く末は悲惨である。臆病国家は必ず滅ぶ。

 いま、安全な原発推進は日本の使命である。心配なら、あと100年かけて撤退すればいい。それまでは、原子力以外のエネルギーで、72億にも増えてしまった人類を養うことなどできるはずがない(たとえば、大規模原発150基分のエネルギーで作っている窒素肥料がなければ、何十億人もの餓死者が出る)。できると考えている人は、本物の阿呆か利己主義者である。
 万一日本が原発から撤退しても、中国・韓国・インドなど、周囲の途上国が信頼性のない原発を乱立させる。それこそ悪夢である。
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