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環境保護活動の錯覚(1月14日)

 生態系の頂点に立つ大型動物が、小動物を駆逐し、本来の生物多様性を損なっている

 日本自然保護協会の安倍真理子氏は、12日の福井新聞掲載の論文で、環境保全を理由に辺野古埋め立てに反対していた。ジュゴンやウミガメの生育が脅かされるから、ということである。音に敏感なジュゴンが船に衝突したり、埋め立てによってウミガメの産卵が一部脅かされるという。
 ここでは、とくにジュゴンやウミガメのような、目立つ大きな動物について心配している。

 しかし本当は、生態系の頂点に立つジュゴンなどの大型動物そのものが、生態系の多様性を損なっている場合が多い。クジラがいい例である。ヒトはもっとだが。
 花里孝幸氏(信州大教授)は、「自然はそんなにヤワじゃない」という著書の中で、つぎのように述べている。

≪生物というものはとてもタフで、打たれ強いものであることがわかる。すると、今、人類が強い力で地球環境を変えて生態系を大きく攪乱しても、人類は滅びるかもしれないが、その急激に変化する環境をうまく生き抜き、新たにつくられた環境の中で繁栄する生物種が必ず出てくるに違いない。そして、生物がそこに存在することができれば、そこには生物たちの相互関係が生まれ、食物連鎖がつくられ、きちんと機能する生態系がつくられるのである≫

 花里氏によると、生態系の錯乱は、生物多様性が生まれる大きな要因となる。洪水がいい例である。これは、自然発生的でも人為的でも同じである。海岸埋め立ては、生物多様性が増す絶好の機会かもしれない。
 たとえば、大型捕食動物がいなくなることによって、それまでそのエサとなっていた小動物が増え、かえって多様性が増す。小動物のほうが、圧倒的に種類が多いからである。
........................................恐竜

 多様性を損なうのは、天然記念物のトキやコウノトリ保護の場合も同じである。この場合人為的に、エサとなるカエルやドジョウを増やす。そうすると、カエルやドジョウのエサとなる動物プランクトンがいなくなり、その生態系での生物多様性が失われる。ミジンコなどのプランクトンは、小さく目立たないが、多様性はカエルやメダカの比ではない。

 たしかに、ジュゴン、ウミガメ、トキ、コウノトリといった大型動物は、目立ちやすく、観光のシンボルとして最適である。そのことが悪いわけではない。それを目的に保護活動を行うことは、正当な経済活動(金儲け)であり、非難されるものではない。

 しかしこれは、あくまでも観光・経済目的であって、環境保護ではまったくない。保護によって、かえって生物多様性が、失われてしまうのである。自然の摂理というものはきわめて複雑で、人間の浅知恵が及ぶものではないからだ(ほんとに環境保護をしたいなら、ジュゴンやコウノトリを増やすより、ヒトを減らしたほうがいい)。
 勝手な思い込みでの「環境保全」、「生物多様性の保護」は、欺瞞以外の何物でもない。
 
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