FC2ブログ
RSS

地域振興のためには(1月9日)

 その地域を好きな人を育てる必要がある。単発的な地域おこしは、決して長続きしない

 今、すべての国すべての地域が、観光振興に力を入れている。いかにして、他の地域から人と金を引っ張り込むか、血眼である。

 しかしこのような同じ視点で勝負しても、勝てるとは思わない。福井の周りには、強敵が多すぎる。
ではどうするか。
 人を呼び込もうとするより、いかに地域の人が楽しく豊かに暮らせるかに力点を変えたほうがいい。そうすれば、黙っていても人は来る。
 そもそもいくら他人が来ても、地域の人が不幸になったのでは全く意味がない。

 では、どうすればいいのか。
 「新潮45 13年10月」で、スイス在住の山田桂一郎氏(観光カリスマ)と藻谷浩介氏(日本総研)の対談での、スイスの例が参考になった。
 スイス・ツエルマットは、マッターホルン麓のリゾート地として有名である。人口5700人にもかかわらず、年間宿泊者数は200万泊にも及ぶ。70%がリピーターで、シーズンを通してほとんど変動がないと言う。
 このような地域をどのようにして作ったのか。

 人口800万人足らずのスイスには、このような取り組みが数多くある。観光地だけではない。製造業もきわめて強い。一人当たりGDPは約8万ドルで、日本の約2倍。日本にも高級時計や医薬品を売り込んでおり、対日貿易黒字は、4000億円以上にもなる。非常に豊かな国である。

 ただ、人口1億人を超える日本が、スイスと同じことをしても成功するとは限らない。それに、スイスには特有の問題もある。外国人労働者の比率増大や、それに伴う人種差別である(医薬品開発の治験には、人体実験が必要)。日本のような、逆差別とまで思えるような平等社会では、できないことが多い。

 それでも、日本がぜひ参考にしたいところがある。
 スイス住民のほとんどが、自国や地域の歴史、文化、地理に精通していることである。スイスでは、学校教育でもこれらの科目を重視するという。
 日本はこれまで、そこが疎かになっていたのではないか。日本人で、自分が住んでいる町村、市、国のことを、人に説明できるほど知っている人が、どれだけいるか。能や歌舞伎などの古典芸能、古典絵画、日本や地域の歴史に精通している人もほとんどいない。地元をテーマにした演歌でさえ、まともに歌えない。
 考えてみれば、さびしい限りである。

 人は知ることによって、その対象に好感を抱く。地域を知れば楽しくなり、精神的な豊かさが増す。
 地域振興のためには、そこに住む人が中心になる必要があるが、地域が好きでなければ、決して長続きしない。そして地域が好きになるには、その地域のことをよく知っていなければならない。

 時間はかかるが、そこから始めたほうがいい。低学年からの、地域教育が重要である(英語教育は不要)。その場限りのイベントや地域おこしだけでは、一過性で終わってしまう。そんなことは、これまでの経験で明らかである。
スポンサーサイト



トラックバック
トラックバック送信先 :