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ものづくりにおける異常対策(1月7日)

 冷凍食品は、長期保存ができるという利点の陰に、恐るべき欠陥が潜んでいる。冷凍食品製造業者は、それをカバーするしくみをつくらなければならない

 先日も書いたが、マルハニチロの農薬入り冷凍食品が、大きな社会問題となっている。
 だが、事業を行っていれば、必ず何らかの不具合が生ずる。その場合、発生した異常事態に対し、必ず是正処置(再発防止策)を行うことが大切である。
 是正処置(再発防止策)とは、問題の原因を突き止め、その原因を取り除くことである。その手順は、以下の通りである。

①不具合、不良の定義を明確にする
 実務担当者だけでなく、営業担当者、顧客、外注先に対してコミュニケーションを充分行い、どこまでが不良なのかを明確にする。
②不良の発生について、社内で共通認識をもつ
 不良撲滅は、まずどんな不良があるか、それはどのような状態なのかの観察眼を養うことから始まる。不良の発見は、作業者の「見る目」と「気くばり」に大きく依存する。
③発生した不良についての責任と処置を明確にする。
 品質の責任は、その品物を作った人、あるいはその仕事を依頼した人にある。責任を取る人は、不利益なことも甘んじて受けなければならない。
④不具合、不良は速やかに処置する。
 不良を発見した場合、速やかに処置し、影響を少なくする。そのためには、不良を発見したら、直ちに発生場所にフィードバックする。そのしくみや風土を形成する必要がある。
 不良の発見は、早ければ早いほど原因も明確になり、手直し修復も容易である。
⑤是正処置をとる
 緊急の対策が終わったら、同じような不良が発生しないように、原因をしっかり把握し、その対策をとる。
⑥記録して、組織のノウハウとする
 大切なのは、同じような不具合を繰り返さないことである。それには、これらを記録して物語として周知し、組織のノウハウとして活かす。

 ここでもっとも重要なことは、「早期発見・早期対応」のしくみを作ることである。これは、リスクマネジメントの基本でもある。

 その意味で、冷凍食品というのは、食品の形態としては、きわめて筋が悪い。食品(製品)・・梱包・・冷凍・・保存・・流通・・保存・・と、製品ができてから消費されるまでの時間が、非常に長いからだ。その間、異常が蓄積・増幅されてしまう。

 今回の事件も、農薬食品が10月初め出荷され、苦情があったのは11月である。これは、「早期発見・早期対応」の原則には、まったくそぐわない。長期保存がきくという長所が、そのまま大きな欠点になっている。今回の場合も、保存食品でなければ、ここまで大きな広がりにはならなかった。

 もちろんこれは、冷凍食品だけではない。味噌、乾物、缶詰その他、あらゆる保存食品についても同じことが言える。
 そこで、冷凍食品など長期保存食品を製造する業者は、その欠点をよく認識し、それをカバーするための仕組みを作らなければならない(各工程におけるトレーサビリティ、冷凍前のチェックなど)。
 
 当該事業者だけでなく、食品業界の事業者は、ぜひ今回の失敗を肝に銘じて欲しい。それができなければ、またどこかで同じような事件が起こるのは、間違いない。
 今回の事件を、経営のモラルだけで終わらせては再発防止にはならない。もし犯罪だとしても、犯人を捕まえて終わりでは決してないのである。
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