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高齢者起業の問題(11月13日)

 高齢者が起業すると言っても、現実にはそれを阻む、いろいろな阻害要因がある。逆に言えば、これらのハンディを自覚し、それをカバーすれば、成功する。

①知能面での衰え
とくに問題になるのは記銘力 (ものを覚える力)の低下である。聞いたことをすぐ忘れる、同じことを何度も聞くなど。それに比べて、古い記憶は高齢になっても比較的よく保たれている。それも徐々に不正確になり、思い出せないことが多くなる。
 ただ、判断力、総合力は高齢になっても低下しない。若い時には理解できなかったことが年をとって初めて理解できる、ということはしばしばである。年をとったら皆ぼけるというのは大きな間違いで、老年期認知症の患者は65歳以上高齢者の5〜6%にしか過ぎない。

②健康疾患
 仕事が順調にいき、忙しくなってくると、経営者として無理をしがちになる。とくに、退職後のんびりしていて急に働き出すと、それまで隠れていた病魔が顔を出してくる。
 ある程度軌道に乗った後なら、任せられる人がいるかもしれない。しかし、開業準備や開業間もない時期に体を壊し、出鼻をくじかれることがある。開業時に多くの借金でもしていたら、目も当られない。

③高齢者の性格
 高齢者の性格の特徴として、がんこ、利己的、愚痴っぽい、疑い深い、いらいら、などがあげられる。
ただ、病的状態でみられる特徴と、正常な高齢者の人格の変化が混同されている場合がある。人格は成人期〜老年期を通じて比較的安定していて、青年期までにつくり上げられた人格の基本的な部分は変わらず、加齢的変化よりも世代の違いや性差の影響のほうが大きい。
 多く認められる性格としては、保守性、あきらめ、義理堅さ、依存的などで、従来多いとされていた嫉妬、不満、懐疑心などは、それほどでもないとも言われる。

④大企業の「看板」、プライド
 過去に大企業などで権限を持っていた人は、なかなかそのプライドを外すことが難しい。大企業で環境に恵まれて高給を食んでいた人は、中小・小規模企業の劣悪な環境(人、モノ、資金、情報・・)で力を発揮することは、まれである。むしろそこへ、大企業の複雑な管理システムを導入しようとして、混乱させてしまう。
 大企業でなくとも、シニアともなると相当の権限を持っていたはずである。この、会社の威光をバックにした肩書きや名刺が、役に立たなくなってしまうことが多い。

⑤多くの利益は望んでいない
 シニアの起業動機として多いのは、「過去の経験、知識を利用したかったから」、「社会の役に立つ仕事がしたい」、「年齢や性別に関係なく仕事がしたい」となっている。ところが、収入に関する考え方として、「できるだけ多くの収入を得たい」というシニア起業家は少ない。

⑥年金などによる高額収入
 口には出さずとも、まとまった年金を受給する人は多い。信じられないが、大企業社員や公務員だった人は、公的年金や共済、企業年金などを合わせると、年間7~800万円という人がざらにいる。そこまでいくと、真剣に働く気が起きないかもしれない。
 また公的年金制度の問題点は、厚生年金の給付に伴う収入制限である。受給資格のある高齢者でも、在職者はその収入額に応じて年金給付が減額される。収入が低い場合は減額率が小さいが、収入が高い場合には減額率が大きくなる。
 このような収入制限は、働こうとする人に、年金減額というペナルティを与えるように見える。これによって高齢者の勤労意欲が抑えられ、雇用が阻害される。
 しかしそんな人は、お金のために働く必要はない。それこそ、生きがい、やりがいを求めて働くのである。理想的ではないか。

⑦業務脳の新鮮さを保っていられるか
 現役時には仕事中心だったシニア世代が退職すると、当面はのんびりしようと考える。退職後にほとんどの人が失業給付を受け、減給になったとしても、当面の生活には困らない。それが半年も続くと、次第に事業脳からも離れていってしまう。
 円満退社した会社であっても、足が遠のくと、行きにくくなるし、昔の取引先とも疎遠になる。そのうち担当者が代わると、ほとんど連絡もしなくなってしまう。情報はいったん断絶してしまうと、回復するのが難しい。
 もっと悪いのは、しばらく仕事をしないことによって、仕事脳・ビジネスセンスが失われてしまう。そのままずるずるやっているうちに、やる気もなくなるのである。
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