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建設工事の入札不調(11月6日)

 世界で最も災害の多い日本は、建設業者がいなくなれば、安心して暮らせない

 ≪首都圏の公共事業で工事を引き受ける建設会社が決まらない異例の事態が相次いでいる。東日本大震災の復興需要もあって資材価格などが高騰。自治体が想定する予定価格では採算に合わないことなどで、入札が成立しないケースが増えているためだ。2020年夏季五輪に向けたインフラ整備が本格化すればさらにコストが上昇する可能性があり、大会準備への影響も懸念される。2013.10.19 日本経済新聞電子版より≫

 建設入札不調(入札者がいない、または予定価格を下回る金額の入札がなかったため、入札行為を中止すること)は、3.11以前から続いている。震災後はとくに顕著になった。東日本大震災の被災3県(宮城、福島、岩手)などが、平成23年10月から1年間に発注した土木工事のうち、2割超で入札が成立しない「入札不調」となっていたという。
 維持修繕工事については、契約が成立しなければ、適切に施設が管理できなくなり、国民の安全や安心への対応がおろそかになる

 逆に5~6年前までは、深刻な建設不況が続いていた。平成8年に80兆円以上あった建設需要が、平成14年あたりから、50兆円になり、その後もズルズル下がっていた。じつに40%もの減少である。地方の公共事業によっては、前年比80%減になることもあった。建設業者には、たまったものではない。
 そこで国交省自ら、建設業者に事業転換を薦めていた。私自身も、その片棒を担いだことがある。その「口車」にのって、多くの建設業者は廃業を決め、あるいは農業分野へと進出して、四苦八苦している。(私の提言してきた「インフラ修復技術」の習得は、間に合わなかった。)

 そのため、ピークで60万社、685万人いた建設従事者は、平成19年には52万社、552万人にまで減少。平成25年3月末は、47万社と減少傾向が止まらない。仕事がなかったのだから当然である。建設従事者も、500万人を切っているはずだ。しかも従事者年代は、完全に逆ピラミッドである。このままでは間違いなく、建設業の衰退が加速する。
 
 国内に建設業者がいなくなるとどうなるか。あの、3.11のとき、地域の交通分断をかろうじて食い止めたのは、地元の建設業者たちであった。膨大な瓦礫と破壊された震災後の道路を、地の利を生かし、ほとんどボランティアで、応急修復したのである。これら地元建設業者がいなかったら、震災での死亡者は、はるかに多くなっていたであろう。
 また、これまで建設してきた国内のインフラが、更新時期を迎えている。その維持管理のために、これまで以上の建設投資が、必要になってくる。その維持管理が滞れば、日本は立ち行かなくなる。
 建設需要は減少するどころではない。少なくとも、15年前の水準に戻す必要がある。

 ではどうしたらよいか。
 地域に根付く建設業に、優秀な若い人材を取り戻す。それには、建設業に有利な仕事を増やすしかない。
 幸い、「国土強靭化計画」と称して、大規模な建設投資が見込まれている。この予算を、ゼネコンではなく、地方の中小建設業者にいきわたるように使う。もちろんこれまでのように、新しくインフラを作るのではない。すでにあるものを、さらに強靭にし、長寿命となるような方針を立てる。
 短期間ではだめだ。すくなくとも、50年計画で行う。もちろん、新技術に意欲ある事業者を優先する。そうすれば必ず、地方に若く優秀な建設業者が復活する。そうしなければ、世界で最も災害の多い日本国民が、安全・安心に暮らせる国になるはずがない。

 その結果、財政赤字が2,000兆円になる。いいではないか。その増えた分は、国民一人一人の蓄えになる。つまり働く国民が、金銭的にも豊かになることだからである。
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