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あのDELLが!(11月5日)

 DELL全体が、ユーザー目線ではなかったが、経営者の頭さえ切り替われば、再び世界を席巻する時代が訪れる

≪米パソコン大手デル<DELL.O>は、創業者マイケル・デル最高経営責任者(CEO)らによるマネジメントバイアウト(MBO)の成立を受け、29日の株式市場の取引終了をもって上場を廃止する。
1984年設立のデルは一時は世界最大のパソコンメーカーとして君臨。株価は2000年に50ドルを超えた。ただ近年は消費者の嗜好がタブレット端末やスマートフォン(多機能携帯電話、スマホ)などに移ったことで、パソコンメーカー各社は苦戦しており、マイケル・デル氏はMBOを通して非公開化することで経営再建を急ぐ。 10月30日ロイターより≫

 10年ほど前まで、DELLのビジネスモデルは、ものづくり企業の模範であった。世界中から、パソコンのあらゆる注文を受け、世界中でその部品製造に最適なところに注文する。それを集め、これも世界中で最適な地域で組立て、発注者に送付する。その、受注~発注~加工~組立て~発送までの全プロセスを、きわめて効率的に中央制御するビジネスモデルである。
 その結果、ユーザー仕様に合わせた最適な製品を、格安で販売することができた。私自身が行う経営研修にも、典型的なものづくり成功事例として使わせてもらったことがあった。
 しかし、10年前の王者も、スマホが跋扈するコンピュータ業界の環境変化には、ついていけなかったのである。

 そしてこの環境変化より、もっと重要な要因がある。
 私自身が15年ほど前に、DELLのパソコンを購入したとき、あまりのアフタサービスの悪さに、辟易したことがある。問い合わせの電話をかけても、何回もたらい回しされたあげく(それも録音音声で)、2時間近く、誰も出てこないことがあった。(それ以来、DELL製品の購入はやめた。)
 同じような不満の声は、あちこちで聞いた。

 つまりDELL全体が、企業の遺伝子として、ユーザー目線ではなかったのではないか。あくまでも、効率追求、生産優先、つまりプロダクトアウトが、しみついていたのだと思わざるを得ない。いくら、格安でそれなりの製品を提供しても、顧客、ユーザーにそっぽを向かれたら、企業はおしまいである。
 プロダクトアウトの企業では、ユーザーの声を真摯に受け止めようとしない。それが、製品そのものの時代遅れにつながり、今回の結果につながったとも言える。
 これは、私個人のあとづけの理屈ではある。

 それでも、まだDELLがなくなったわけではない。まだまだ有形無形の、ばく大な資産を保有しているはずだ。経営者の頭さえ切り替われば、そのたぐいまれな行動力で、再び世界を席巻する時代が訪れるであろう。
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