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因果関係と相関関係(10月31日)

 グラフや数式では、相関関係はわかっても、因果関係まではわからない。因果関係を証明するのは、きわめて難しい

 昔から、「データを重視せよ」と言われる。ところで「データ」とは何か。多くは、グラフや数字の羅列で示されているため、これが「データ」だと思われている。しかし本来、データの一義的な意味は、「物事の推論の基礎となる事実」とある(Yahoo辞書)。あくまでも「データ」とは、「事実」のことである。グラフや数字の羅列は、「データ」をわかりやすく表示したものに過ぎない。 
 論文では、この「データ」と「データ」を比較して、因果関係を示そうとすることが多く、我々はそれに惑わされないようにしなければならない。

 以下、ややこしい話で、恐縮である。
 たとえば、新潮45の7月号で、藻谷浩介氏は「数字で読むアベノミクスの空騒ぎ」のなかで、マネタリーベースに対する、日経平均株価或いは消費者物価の、年度ごとのグラフをつくり、その因果関係を否定していた。
 確かに、日経平均株価或いは消費者物価いずれも、マネタリーベースと無関係に変動している。しかし、日経平均株価や消費者物価は、マネタリーベース以外の多くの要因によって、変化する。全く無関係かどうかは、他のいくつかの要因を含めて分析しなければわからないはずだ。現に、「プライマリーバランスと名目GDP比」の図表にすれば、また違った見方ができる(数学を知らずに経済を語るな 高橋洋一著より)。

 また、藻谷氏はその著書「デフレの正体」で、図表を使ってGDPと生産年齢人口を、因果づけている。私自身も、この内容を信じたことがあった。しかし、他の多くのデータと突き合わせて考えてみると、正反対の結論を導くこともできる。ほとんどの場合論者は、都合のよいデータばかりを集めてくるからである。

 そもそも、このようなグラフや数式では、相関関係はわかっても、因果関係まではわからないはずだ。因果関係を証明するのは、きわめて難しい。数字の裏に隠された事実への深い考察と、実証の積み重ねでしか解明できないはずである。
 ある意味、自分を納得させられるのは、自分だけである。
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