FC2ブログ
RSS

「柄」(10月24日)

 木工加工で、和包丁の「柄」に特化し、40年以上作り続けている会社

 先日、越前市「刃物の里」の、ある木工所を訪問した。木工所と言っても、この会社は和包丁の「柄」に特化している。それ以外のものは、まったく作っていない。「柄」だけを、40年以上作り続けている。

 写真で見るように、形はシンプルである。色や大きさ、形状など全部で100種類ほどである。大量生産ではなく、新しいデザインのものを、次々出しているわけでもない。単価も1000~3000円ぐらいで、「柄」だけにしては高い。
 それなのに、高級和包丁を中心に、根強い需要がある。とくに近年、日本食ブームの欧州向けの和包丁に使用されるようになって、ここ数年売り上げを伸ばしている。

              和包丁の「柄」H25.10.22

 この商品の特徴は、刃物の金属柄部分を挿入する部分が、別の木材料でできていることである(写真で中心の白いところ)。持ち手及び、包丁を抱き込む部分の、それぞれの機能に合わせた、2重構造になっている。単なる「柄」にしては、複雑だ。
 こうすることによって、包丁がしっくりと柄に収まるという。持ち手の角錐形状も、数十年前から、顧客の声を取り入れ、改良を重ねてきた結果である。
 世界中で、この工場だけしか作っていない。まさしく「オンリーワン」の商品である。

 その「オンリーワン」を成り立たせているのが、独自の製造技術である。製品外観は簡単に見えるが、作り方は複雑だ。
 工場では、各工程に専用機が稼働している。すべて工夫を凝らした、オリジナルの機械である。熟練の技能とこれらの機械を組み合わせ、複雑で独特の機能を持つ「柄」製品を加工している。一見、何をしているのかわからない工程もある。この刃物を抱き込む楕円横長の穴は、いったいどのように加工しているのだろうか。いまのところ、「企業秘密」である。

 ただ残念ながら、あまり生産性がよろしくない。半自動の機械にしても、使い方によっては、もっと効率が上がるはずだ。したがって、「オンリーワン」を作っている会社にしては、たんまり儲けているわけではない。
 また「柄」は、和包丁という衰退産業の部分品であるだけに、長期的にはじり貧傾向は否めない。これは、自分の力だけでは如何ともしがたい。できればこの、「オンリーワン」技術を活かし、会社を持続させたい。ブランド力もつけたい。
 まだまだ、課題はたくさんある。注目する会社のひとつである。
スポンサーサイト



トラックバック
トラックバック送信先 :