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現代日本の贅沢病(10月19日)

 現代日本では「将来が不安」などと言う贅沢を、まだ多くの人が味わっている
 
 「他人の不幸は蜜の味」、「やれうれし、となりの家が夜逃げした」。
 人が、他人の不幸に対して抱く快感を、ドイツでは、「シャーデンフロイデ」というそうだ。成功した人が没落し、生意気な人が失敗すれば快く感じる心理をいう。
 残念ながら、どの国の人でも、他人の不幸は嬉しいものである。

 「嫉妬」研究の大家、ケンタッキー大学心理学科リチャード・スミス教授は、『苦痛の楽しみ』のなかで、この感情は、人間の感情の暗い本性だといっている。彼の理論によると、私たちは自分の存在価値を得るために、他人と比較し、自分の優れたところを見つけるために努力する。他人よりましな部分を見つけた時には、快感を覚え自尊感を回復する。それができない時には、他人の不幸を探す。

 日本では、毎年何百人もの人が、災害で家族や家を失う。交通事故も少なくなったとはいえ、毎年4~5000人の人が亡くなっている。重症者やその加害者を含めたら、その何倍にもなる。これ以外の事故や病気で亡くなる人、自殺者も多い。これらの人的被害以外にも、事業の失敗や詐欺の被害などで、財産を失う人も多い。それ以上に、世界には不幸な人は山ほどいる。
 しかし今の日本では、本当に苦しんでいる人は、全体の1割もいない。
 他の人はその不幸な人をみて、喜んでいるだけだ。まるで、そのためにあるかのように、マスコミは、不幸な人をあぶりだす。世の中は不幸だらけのようにみえる。

 ほんとは今の不況も、大量生産・消費時代からの変革の苦しみにしてはまだ生ぬるい。まだ大丈夫である。「将来が不安」などと言う贅沢を、まだ多くの人が味わっているからだ。老後が心配、20年後の放射能影響が心配・・などである。
 「今が心配」という人が大半を占めるようにならないと、大きな改革はできないし、その必要はない。たいてい将来の暗い話は、覆されることが多いのである。

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