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琵琶湖の環境(9月19日)

 人間が手を加えたものは、そのことが原因となって、つぎに何が起こるかわからない

 だいぶ前(昨年)ある研修会で、森下郁子氏(淡水生物研究所所長)の、湖や河川における生態系の話を聞いた。話に脈絡がなく、論点がわかりにくかったが、これまでの常識を覆すような内容は面白かった。ポイントを無理やり3つにまとめてみる。

①建設工事を行う場合、人間の浅知恵で環境保護をしないこと
 たとえば、河川におけるダムなどの堰堤を作るとき、「環境」に配慮するため、魚道を確保しようとする。そうすると、その河川の魚は、人工的な魚道に慣らされて野生味がなくなり、捕食者の餌食になってしまうのだそうだ。動物園で飼いならされた野生動物と同じである。
 基本的に河川は、1年に1回か2回だけ、堰堤を超えるような氾濫があれば、生態系は十分に保つという。かえって人間がおかしな細工をすることによって、生物がひ弱になってしまうのである。

②人間が一度手にかけてしまったものは、放棄できなくなる
 昔、琵琶湖で(2兆円規模の整備事業のとき)鮎を保護する対策をとった結果、鮎が増え、それを捕食する水鳥が増えた。そのため、それを撮るカメラマンが増大して、琵琶湖周辺道路がつくられ、さらに観光客が増えた。ここまでで約30年。
 それはいいのだが、増えた水鳥は、琵琶湖の中州・竹生島に大量の糞を撒いて、島の木を枯らしてしまったそうだ。その被害の深刻さから、今度は水鳥の狩猟を解禁して大量の水鳥を捕獲、やっと元に戻ったという。この段階でもおよそ10年。
 しかしそのあとも、ブラックバス騒動など、次から次へと変化が起こる。つまり、一度手を加えてしまったものは、そのことが原因となって、つぎに何が起こるかわからない。放っておけないのである。

③環境には容量がある
 当たり前であるが、琵琶湖沿岸も、30万人の人口なら、汚物垂れ流しでも自然の浄化作用で、生態系は保たれるそうである。しかし、今やここには120万人が住んでいる。下水工事などなんらかの手を加えなければ、人間が住めない。やはり今の日本は、江戸時代の3000万人程度の人口が、一番いいのだろう。

 質問しようと思って時間切れになってしまったが、結局何もしなくても、生態系というのはそれなりのところに収まるのではないか。人間は、害を及ぶす目先のことにさえ、右往左往していればいいのかもしれない。
 (金額は定かではないが)鳥獣被害を防ぐために柵などを作るための補助金が250億円で、被害そのものは、400万円?という、ばかばかしい話も聞いた。補助金の無駄遣いは、どこにでもある。これは天下りと同じ、合法的であるだけに始末が悪い。
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