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芥川賞作品と同調心理(8月30日)

 人が感動したと言えば感動したふりをし、美味しいと言えば美味しいと言う

 今年の芥川賞受賞作(abさんご)を読みかけたが、あまりの読みにくさに、とん挫してしまった。ひらがなばかりの文体で、2ページも読むと、精神に異常をきたす。昨年は、田中氏の「共食い」を最後まで読んで、げっそりした。題名と同じグロテスクで、ドロドロした嫌悪感しか感じられなかったからだ。文学作品というのは、受け手に何かの感動を与えるものだと思っていたが、そんなものにはめったに出会わない。
 そういえば昔、大学の教養課程で、「車輪の下」(あるいは「若きウェルテルの悩み」だったかも?)の感想文提出を求められたとき、「少女趣味でつまらない小説だ」という意味のことを書いた。すると、「お前は大学辞めて人夫になれ」といわれ、単位を落とされてしまった。

 小説だけではない。高名な作家の絵画や彫刻作品を見ても、あまり感動したことがない。ミケランジェロなど、名前を聞いただけでぞっとする。誰かの葬儀や通夜に参加したときも、予定時間を越えて「有難い」お経を上げている坊主を見ると、張り倒したくなる。私は、普通の人間としての感性を逸脱しているのだろうか。

 実は私が、このようなことを言えるようになったのは、最近である。
 それまでは、人が感動したと言えば感動したふりをし、美味しいと言えば美味しいと言ってきた。これを、「同調心理」という。人にわかりきったことを質問したときでも、数人のサクラに間違った答えを言わせた後は、ほとんどの人はサクラの答えに合せてしまうのだそうだ。色や寸法など、定量的なものでさえ同調するという。まして、感覚、感性のようなものはなおさらであろう。日本人はとくに、これが大きい。

 もちろん、ある程度の同調は必要である。我儘な子供のように、自己主張ばかりしていたのでは、世の中が成り立たない。島国で暮らせない。
 だが、自分の心に逆らっての迎合ばかりではつまらない。残り少ない人生、正直に生きていたいではないか。
                           ・・そうやってまた一人、世の中に頑固老人が増える。
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