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史上最大の赤字

 財政赤字の拡大より、国民の働く力がそぎ落とされることのほうが重大である
  将来負担と不安を強調するほど、消費や投資マインドが衰え国力がダウンする


 コロナ禍で、政府の財政赤字が膨らんでいる。
 今年度の国債発行は、史上最大の113兆円、来年度は当初予算だけで44兆円。これまでもGDP比でダントツ世界一だった財政赤字が270%になり、1300兆円まで膨らむ。

 経済専門家の多くは、これについて警鐘を鳴らしている。
 今月18日のプライムニュースでも、野村総研の木内氏は、つぎのようにコメントしていた。
①いまコロナ禍での財政出動はやむを得ない
②ただ、どう償還するか、道筋を立てておく必要がある。
③できれば、コロナ後5~6年で償還する計画を立てる(いまコロナで稼いでいる人に税金を払ってもらう。つまり増税)。
④長期の償還になると、将来世代に負担をかける
⑤将来の人は借金返済しなければならないと思う。
⑥将来世代はお金を遣わないと思うと、現時点での国内の投資が滞ってしまう。

 すなわち「政府の財政赤字は、将来世代の負担にならないよう、必ず償還すべきである」ということである。内閣府副大臣の赤澤亮正氏も、現時点での財政支出は容認しながら、財政規律の重要性は認識していた。

 コロナ脳が一段落すれば、必ずこのような主張が出てくる。いまの時点でも、条件反射で政権叩きを行うマスコミでは、さっそく「将来世代につけを回すのか」と、社説などで批判することに余念がない。これでは数年後、更なる消費増税の声がかかるのは間違いない。
 これが、いまの経済界の一般的な見方である。

                金の成る木

 しかし番組において、第一生命の永濱氏は、以下のような持論を展開していた。
①赤字国債は返す必要はなく、借り換えでいい。
②国債は、インフレが起こりそうになるまで発行してよい。
③現時点で日本は、金利の高騰や大幅インフレにはならない。
④経済は民間部門が動かすもの。いまそのマインドが委縮し、お金を溜めこんでいる。
⑤金融緩和が効かないなら、財政出動しかない。
⑥財政水準は、財政規律より安定的な成長をすることを目的とすべし。
⑦財政出動するなら、環境やデジタル部門に人的資本投資すべき。

 ややこしい話は別として、私も概ね永濱氏の見解のほうが納得できる。
 この程度の赤字国債など、まったく問題ないことは、これまで何度も本ブログで言及してきた。財政赤字が将来世代につけを回すことなど決してない。 

 なぜ赤字国債は返す必要がなく、借り換えでいいのか。
 日銀が21日に発表した7~9月期の資金循環統計によると、9月末時点の企業の現預金残高は309兆円と、2005年以降で最高となった。家計も4.9%増の1034兆円と伸び率、残高ともに過去最高を更新した。

 つまり新しく発行した国債のお金は、ほとんど国民の懐(預貯金)に入る。日本政府は、その分をまた国民から借りるだけである。お金を貯めるのが生きがいの国民は、貯金を取り崩すことなど考えていない。また、ある人がお金を遣うため預金を取り崩しても、他の人の預金に回るだけで、国内の預貯金総額は変わらない。
 国民にとっても、余ったお金は、怪しい金融商品や新興国に貸すより、よほど安全である。

 もし市中の金利が高くなっても、それまでに発行した国債はほぼゼロ金利である。以後10年は、まともに金利を払う必要がない。金利が高くなるということは、資金の需要つまり景気が拡大するときである。税収が増えるから、赤字国債は償還できるし、新規の国債発行は必要なくなる(借り換えで金利だけ支払うなら、そのぶん経済成長となる)。もちろんその間、成長によるインフレが続くことで、国債残高のGDPに対する割合も低下する。

 そもそも(質量保存の法則から)、いったん発行したお金は無くならない。さらに日銀引き受けの国債なら、償還する必要はまったくないのではないか。
 いくらどう考えても、財政破綻による恐慌などあり得ない。

                ナマケモノ H30.11.25

 ただここで、大きな問題が残る。
 このまま国債を発行し続けると、国民の金融資産が増えすぎる。政府の借金がいまの10倍になれば、国民一人当たり1億円もの資産家になってしまう。お金はあるところに集中するから、億どころか兆万長者が無数にできる。これだけお金があれば、人は一生懸命働こうと思うであろうか。宝くじに当たった人は、まともな人生を送れないと聞く。
 すなわち、財政赤字拡大における最大の問題は、大金持ちになった日本人が、働く意欲をなくすことなのである(もっとも人の金銭的欲望は無限だから、杞憂かもしれないが)。

 したがって赤字国債発行は、その状況に至る前に減速する必要がある。
 またGOTOキャンペーンや公共工事など、国民の働く意欲と力を増やす方向に使わなければならない。生産性向上に寄与する事業、軍事・核武装はもちろん、環境やデジタル分野でもいい。国民に働く力と需要が増えれば、追加国債は不要である。ユニークな分野に高いお金を払えば、日本人の生産性は向上する。

 休業補償や生活保護、年金などの不労支払いは、最小限にすべきである。お金を配るだけの政策では、国民の働く力を削ぎ落してしまう。モノやサービスのない社会に、お金だけつぎ込めば、それこそインフレ地獄である。資源のない日本が、これまでやってこれたのは、国民が一生懸命働いたからだということを、忘れてはならない。


 本来ならば政府の財政支出より、民間の借り入れ需要が活発になることが望ましい。
 それなのに政府や専門家が、将来世代の負担と不安を強調すればするほど、(増税を警戒して)民間の消費や投資マインドが衰えるのである。
 経済力(=国力)よりも増税を目的とした国家に未来はない。金輪際増税しないことを、憲法に明記すべきである。
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