言ってはいけない(書評)
事実を事実として認めないから、世の中にはややこしいことが起こる
数年前発行され衝撃を与えた「言ってはいけない」(橘玲著)では、知能や精神病、犯罪は、ほぼ遺伝で決まるという残酷な事実を、歴史的実証を踏まえて示していた。多くの場合、後天的な環境に影響される部分はわずかしかない。それも同年代の友人の影響である。親が子供に関与できるのは、幼児期しかないのである。
このことを前提に、この本でとくに興味をもった箇所を挙げてみよう。
①貧困女子の知能
数年前、文部次官が熱心に通った貧困女子の多くは、精神障害、発達障害、知的障害を抱えている。そのため、ふるさとの仲間や福祉事務所から見放され、風俗にスカウトされる。需要が減ったため収入は少ない。
知識社会は、知能の低いものが搾取される社会なのである。
②犯罪者は見た目で決まる
アメリカでは、人種による違いのないことを確認したうえで、顔形状の違いによって、判決の重さが異なったという報告がある。顔立ちが暴力的な被告には、重い刑罰が下っていたのである。
われわれの日常的な判断にも、顔立ちは大きく影響している。

③男と女の能力
男は空間把握や数学的推論の能力が発達し、女性は言語の流暢性が高い(ドリーン・キムラ)。男の脳はシステム化で、女は共感に秀でている(サイモン・バロン)。キブツの社会実験では、男はモノを相手にし、女は人とかかわる仕事を好む。また女は不安遺伝子が多く、出世競争やリスクを嫌う。
これらの事実はだれもが実感する。だがジェンダーは見ようとしない。
④人類は乱婚が自然
テナガザルは一夫一婦、ゴリラは一夫多妻、チンパンジーは乱婚である。人類はこの順に類人猿と分化してきた。したがって本来なら、人類は乱婚が適しているはず。夜這い制度など、歴史的に納得できることも多い。
近年離婚が増えているのは、全体主義の呪縛から離れ、自然の摂理に戻っているのかもしれない。
⑤環境が引き起こす事実
年齢、性別、人種など、人は自然に自分と似たもののグループをつくる。問題なのは、無意識のうちに集団を人格化し、敵対するグループとは全く異なる性格を持たせようとする。
もし、一人だけが異なるグループに入ると、差別化されいじめに遭うか、差別化を利用して大活躍できる。
我々が思っていながら口にできないことである。だが、事実を事実として認めないから、世の中にはややこしいことばかり起こる。
この内容を深めた著書が、次回の「もっと言ってはいけない」である。
数年前発行され衝撃を与えた「言ってはいけない」(橘玲著)では、知能や精神病、犯罪は、ほぼ遺伝で決まるという残酷な事実を、歴史的実証を踏まえて示していた。多くの場合、後天的な環境に影響される部分はわずかしかない。それも同年代の友人の影響である。親が子供に関与できるのは、幼児期しかないのである。
このことを前提に、この本でとくに興味をもった箇所を挙げてみよう。
①貧困女子の知能
数年前、文部次官が熱心に通った貧困女子の多くは、精神障害、発達障害、知的障害を抱えている。そのため、ふるさとの仲間や福祉事務所から見放され、風俗にスカウトされる。需要が減ったため収入は少ない。
知識社会は、知能の低いものが搾取される社会なのである。
②犯罪者は見た目で決まる
アメリカでは、人種による違いのないことを確認したうえで、顔形状の違いによって、判決の重さが異なったという報告がある。顔立ちが暴力的な被告には、重い刑罰が下っていたのである。
われわれの日常的な判断にも、顔立ちは大きく影響している。

③男と女の能力
男は空間把握や数学的推論の能力が発達し、女性は言語の流暢性が高い(ドリーン・キムラ)。男の脳はシステム化で、女は共感に秀でている(サイモン・バロン)。キブツの社会実験では、男はモノを相手にし、女は人とかかわる仕事を好む。また女は不安遺伝子が多く、出世競争やリスクを嫌う。
これらの事実はだれもが実感する。だがジェンダーは見ようとしない。
④人類は乱婚が自然
テナガザルは一夫一婦、ゴリラは一夫多妻、チンパンジーは乱婚である。人類はこの順に類人猿と分化してきた。したがって本来なら、人類は乱婚が適しているはず。夜這い制度など、歴史的に納得できることも多い。
近年離婚が増えているのは、全体主義の呪縛から離れ、自然の摂理に戻っているのかもしれない。
⑤環境が引き起こす事実
年齢、性別、人種など、人は自然に自分と似たもののグループをつくる。問題なのは、無意識のうちに集団を人格化し、敵対するグループとは全く異なる性格を持たせようとする。
もし、一人だけが異なるグループに入ると、差別化されいじめに遭うか、差別化を利用して大活躍できる。
我々が思っていながら口にできないことである。だが、事実を事実として認めないから、世の中にはややこしいことばかり起こる。
この内容を深めた著書が、次回の「もっと言ってはいけない」である。
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