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池袋暴走事故

 メーカーも、運転ミスで大事故を起こすような車をつくった責任は免れない

 昨年4月にあった池袋の「暴走事故」で、工業技術院の元院長氏89才が東京地裁で行われた初公判で無罪を主張している。「アクセルペダルを踏み続けていない。車に何らかの異常が発生して暴走した」と否認した。

 検察によると、1か月前の点検で、車はブレーキやアクセルに異常はなかった。また後続車はブレーキランプを見ておらず、ブレーキが踏まれた記録も残っていない。

 被告が無罪を主張したことで、ネット上はバッシングの嵐である。「こんなのが通ったら、これからの事故は全部車のせいにすればよくなる」など怒りの声であふれている。
 私も心情的には、加害の年寄より、若い妻子を失った遺族に同情したい。
 一方で、杉村太蔵氏は「被告は推定無罪」と、正論を述べている。
 さて、どうしたものか。

                 交通安全
 
 もちろん、運転手の責任は免れない(運転しなければ、事故はなかった)。
 それでも、現実に事故が起こったのだから、メーカーにも責任の一端は必ずあるはずだ(車をつくらなければ、事故はなかった)。
 池袋暴走だけでない。日本でもこれまで、多くの人々が暴走事故を起こしている。アクセルとブレーキ、前進と後退の間違いなど、数えきれない。それどころか、実際に販売した車が事故を起こし、日本だけで毎年何千人もの死者と何万もの怪我人が出ているのである(新型コロナどころではない)。

 その犠牲の上に、毎年何兆円もの利益を計上している。ユーザーに高額の保険金を支払わせ、のうのうとしているのはおかしい。車両メーカーとしての法的責任を免れても、道義的責任はある。少なくとも、「走る凶器」をつくっているのだから、間接的責任はある。



 だが日本では、単なる運転ミスでメーカー相手に訴訟を起こすことは難しい。できても、嫌がらせとみられてしまう。それにマスコミは必ず、大口CMのスポンサーである大企業に忖度するから、まずメーカーの責任を追及する声は起こらない。

 それに対し、かってアメリカで、トヨタプリウスで急加速事故を起こしたユーザーが、欠陥自動車だと言ってトヨタを訴えたことがあった。紆余曲折のあげく、プログラムなどの本質的欠陥はないとされた。それなのに、トヨタは無罪放免とはならなかった。
 民事ではトヨタは和解金として、訴訟費用を入れ3000億円支払ったという。それに加え、司法省には1200億円の和解金を拠出し、刑事訴訟を免れたらしい。
 フロアマットの設置不備が急加速を招いた可能性があり、トヨタは、ディラーや被害者を追いつめるのは得策ではなかったと判断したからだと言われている。

                  危ない子熊

 渋谷の運転手は加害者ではあるが、2人も被害者がいる。運転中の加速状況は、アメリカも日本も同じである。
 さらに交通事故の加害者は、被害者と同じように苦しんでいる。
 だれも加害者だけにはなりたくない。

 日本のメーカーとして、トヨタは事故被害者に対し、アメリカに出した以上の償いはすべきではないか。毎年の交通事故死者3~4000人に対し、1人1億円程度を国内メーカー全体で負担したらどうか。交通事故数によって拠出を増減すれば、事故防止車開発に力が入る。また直接の補償では、被害者ビジネスの温床になるので、自賠責保険を拡充する。あるいは何らかの基金のほうがいいかもしれない。すでにやっているのなら、もっとアピールすべきである。

 技術者の端くれとして、(意図的ならともかく)運転ミスで大事故を起こすような車をつくった、メーカーの責任は免れないと思う。東電が、(直接には誰も死んでいない)原発事故で支払った以上の補償金を積んでも、バチは当たらない。メーカーとして賞賛されるであろう。
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