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モノづくりとハジュン・チャン(8月11日)

サービス業はイノベーションでしか生産性向上はできないが、製造業は違う

 このブログでは、何度か製造業について述べてきた。なぜ、モノづくり(製造業)が重要なのか。それは、製造業だけが、その国の生産性を持続的に向上させていけるからである。じつはこの考えは、ハジュン・チャンの「世界経済を破綻させる23の嘘(田村源二訳・徳間書店)」から学んだ。
 ハジュン・チャンは、ソウル生まれの「異端」エコノミストである。「世界最強のグローバリゼーション批判者である」という人もいる。今流行の新自由主義者とは、正反対の見識を持っている。
 その著書中の「世界は脱工業化時代に突入した」の嘘、で次のように述べている。

 先進国では、製造業の比率が低くなりサービス業の割合が増えている。しかしこれは、製造業が衰退したからではない。むしろ製造業の生産性が向上し、低コストで付加価値の高いものをたくさん作れるようになったからである。また一般に、人的資源に頼るサービス業より、製造業のほうが生産性向上の余地が大きい。
 「(ある国で)製造業部門が国際水準から見て活力があろうとなかろうと、その部門が相対的に縮小してしまえば、経済全体の生産性向上にマイナスの影響を及ぼす。なぜなら、生産性向上のスピードが遅いサービス部門のほうが優勢になった経済では、全体の生産性向上のスピードも落ちてしまうからだ。『非工業化を体験している国は、もうそれ以上生産性を高める必要がないほど裕福になったのだ』と信じ込んでいる者もいるが、そうではない。生産性向上のスピードが落ちれば、国としては心配せざるを得ないし、最悪の場合は、国全体の生産性低下に甘んじるしかない。」 さらに、工業製品は輸出できるが、サービス業は輸出が難しい。
 先進国のサービス労働者の賃金が高いのは、その労働者の能力が途上国のそれよりも高いからではない(むしろ逆だ)。先進国の一部の産業の生産性(とくに製造業)が圧倒的に高いからである。それにひきづられているだけである。

 このことは、製造業だけでなく農業にも言える(製造業と農業の違いがわからないが)。わが国農業の衰退は、農業人口の減少ということではない。農業人口は減っても、農産物の出荷割合が増えればいいのである。そうでなければ、農業分野での生産性向上は望めない。
 すなわち、今後の日本を維持していくためには、製造業と農業のイノベーションが何よりも大事になる。決してサービス分野ではない。そして、そこでの大問題は、「如何にユーザーに受け入れられるものを作るか」である。
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