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企業規模と生産性①

 事業承継の支援では、身内への承継より合併を推進すべきである

 いま日本では、企業数の減少幅が加速している。1999年に485万者あった日本の企業数は、2016年には360万者まで26%も激減した。ほとんどが小規模事業者で、中堅企業の減少割合は10%程度である。ここ数年の減少割合が大きいのは、団塊世代の事業主が引退の時期に入ったからであろう。
 
 そこで政府は、事業の継続が困難な事業者に対し、あの手この手の支援策を施している。後継者の確定から、承継方法の計画、後継者教育、資産分割など、至れり尽くせりの承継計画を支援する。場合によっては補助金までつく。ほとんどは身内に対する承継で、親族と内部昇格合わせて90%にもなる。
 政府が事業承継に力を入れるのは、このまま企業数が減っていけば、各企業が有していた有形・無形の資産が消滅し、我が国の経済が沈滞すると考えているからである。

                まだ半分ある R1.6.30

 しかし、企業の減少は悪いことなのであろうか。企業数が26%減少したといっても、雇用者数は減っていない。むしろ増えている。
 なぜか。
 廃業・倒産で消滅した事業所の従業員を、他の事業所が吸収したからである。これはいい傾向なのではないか。つまり、事業所が減少するということは、1社あたりの従業者数が増えることになるからである。

 1月21日のフジTVプライムニュース(中小企業統廃合の是非)で、デービットアトキンソン氏は、「中小企業の生産性向上のためには、規模の拡大が必要である」と主張していた。たとえば、国に3000人の働き手がいる場合、1000人規模の会社3つの国と2人の会社が1500社ある国とでは、前者のほうが生産性の高いことは容易に想像される。
 日本の大企業と小規模企業の違いを見ても歴然としている。

 現にOECD各国で比較した場合、小企業の従業員数の多い国は生産性の低いことが、90%相関していたという。たとえば20人以下企業の従業者数は、ギリシァでは40%なのに対し、アメリカでは10%しかいない。

 なぜなら、2~3人の企業ではイノベーションが難しいし、海外取引も困難である。税金計算や各種届出、金融、近隣対応など、直接営業以外の負担割合も大きい。さらに、頭数だけの玉石混合経営者より、限られた有能な経営者が大人数を管理したほうが有利に決まっている。そもそも経営の負担は、10人の会社も1000人の会社もそれほど変わらない。

                ゾンビ

 したがって、日本でいま企業数が減少しているのは、悪いことではない。むしろ企業規模拡大が進むことにより、日本経済が構造転換する。千載一遇の大きなチャンスである。すなわち政策としての事業承継支援では、積極的に吸収合併を推進していくべきである。無理やり身内に事業を継がせる必要性はまったくない。
 チマチマと接ぎ木だけして森を見なかったら、またこれまでのように、ピント外れの支援策になってしまう。

                 タヌキの亡霊

 さはさりながら、ものごとはそれほど単純ではない。
 企業規模と生産性の関係については、また別途述べる。
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