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海に汚染水1日300トン(8月9日)

 今の日本で、優秀な原発技術者がいなくなったら、それこそ悪夢!
  最悪なのは、放射能に怯えるあまり、感情に任せて反原発だけを唱えることである


 東電福島第一原発の建屋から、1日あたり推定300トンの放射性物質を含んだ地下水が、海に流出しているという。東電による対策は破綻しており、政府は国費を投入して対策に乗り出す。

 ただ、いくら国が乗り出そうとも、実際に対策を行うのは「人」である(国はカネしか出せない)。有能なリーダーが、日本中の知見を集め、リードしていかなければならない。原発に係る機械、電機、土木、建築、海洋、放射線など、多くの専門家が必要である。そしてなによりこの専門家たちが、これから何十年も、高いモチベーションを維持していくことが大切なのだ。

 20年ほど前、あるスナックで隣り合わせた原発技術者と、話したことがあった。彼は、その仕事に理解を示す私にさえ、「原発の話はしないでください」と言う。そのとき私は、原発従事者が自分の仕事に誇りを持てないこんな状態では、必ずとんでもないことが起こる、と思った。
 今は、もっと深刻である。東電では、退職者が相次いでいる。原発技術者は、どんどん減少している(たとえば、原子力・放射線部門の技術士合格者数は、平成18年度の95名をピークに、平成24年度は19名にまで減少した)。そもそも理工系の学生が少ないうえに、優秀な人は医者になって、老人を増やす。文系で優秀な人は弁護士になって、国や東電から賠償金をむしろうとする。気の利いた会計士は、優良企業の脱税指南に全力を注ぐ。
 これでは、日本を衰退させようとする人ばかりが、育っているとしか思えない。

 もちろん、モチベーションだけで、こんなややこしい問題を解決できるわけではない。そしてこの汚染水流出は、問題のほんの一部である。次々現れる問題を解決するには、担当者に、長年の経験と知見、人脈、創造力を駆使できるだけの、高度な技術力が備わっていなければならない。そのためには、これから第一原発での対策に従事する人の、1000倍の技術者を養成する必要がある。その人たちが、第一原発の仕事を、下支えするのである。

 したがって、いまこそ国策として最優先で、原発の優秀な技術者を増やさなければならない。その状態を100年維持する。そのためには、あと20~30基原発を新設し、モチベーションと技術力を維持し続ける。もちろん、輸出も行う。そうしないと、無能な集団に乗っ取られたままの原発は暴走する。今、原発が50基以上もある日本で、そこに優秀な技術者が誰もいなくなったら、それこそ悪夢である。
 これはまさに、原発の安全な撤退のためである。そのためには、原発と原発従事者に対する、国民の前向きの姿勢が、きわめて重要なのである。
  最悪なのは、放射能に怯えるあまり、感情に任せて反原発だけを唱えることである。

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