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逆転人生

 親方日の丸の警察・検察は、いくら冤罪をつくっても自分の首は安泰である

 先日のNHK「逆転人生」では、ある冤罪被害事件を取り上げていた。寿司屋の主人が、駐車違反を咎められた婦人警官に対し、暴行を働いたという冤罪である。現場には大勢の目撃者がいた。暴行はなかったと証言する人がいるにも関わらず、19日間も拘留され、その間、警察官や検事から執拗な取り調べを受けた。あげく最後には、暴行を認めることを条件に、起訴猶予にしてもらったという。それでも、公務執行妨害で暴行し、逮捕されたという「犯罪歴」は残る。結果的に裁判に持ち込み、14年かけてその汚名を晴らす、という逆転人生である。

 むかし私の友人が逮捕された時も、警察のつくったストーリーを認めるまで、長々と勾留を解いてもらえなかったと言っていた。これまで世間で騒がれた多くの冤罪事件も、同じようなものである。

 警察・検察に限らず、多くの役所では、一度決めたことは覆したくない。「無謬性の原則」というのがあり、しばしばこのような理不尽な出来事が起こる。直接冤罪被害に遭った人ばかりでなく、その可能性のあるわれわれにとっても許しがたい。
 表に出ない冤罪被害者は、数えきれないくらい発生しているはずである。有罪とされる人の10%以上あるような気がする。TV放送のようにずさんな取調べが日常行われているなら、半分くらいあってもおかしくない。

                ひねミミズク

 では、なぜこんなばかなことが頻発するのか。
 警察や検察側の理屈はわからないでもない。犯罪者の流出防止である。
 たとえば企業の品質管理を考えてみよう。その場合、検査のミスは大きな問題である。品質検査は、刑事事件では逮捕後の警察・検察の取り調べに該当する(逮捕は抜き取り段階)。
 品質検査のミスには、つぎの2種類がある。
①不良品を良品と判断するミス
②良品を不良品と判断するミス

 企業において、①(不良品を良品と判断する)のミスは、お客に不良品を提供し、不利益を与えてしまう。お客離れを起こす、致命的なミスである。
 一方の、②良品を不良品と判断するミスはどうか。企業にとって、廃棄損は出るがお客に不良品が渡ることはない。不良品と判定されたものは、たとえ良品であろうと廃棄される。これが優良企業とされている。
 したがって、「優良企業」は、②より①のミスのほうを無くそうとする。②のミスはあまり表に出ない(モノやサービス自身は声を出さない)。

 そこで、警察や検察の取り調べにおいても、罪のない人を罪人とする(②にあたる)ミスを犯すより、罪人を無罪(①にあたる)とする方を恐れているのではないか。もし取調べのミスによって、悪質な罪人が放たれてしまったら、再犯による被害が発生する。現実には、そのことで治安が保たれている面もある。

 つまり好意的に解釈すれば、現在の取り調べ法は、冤罪人をつくるより、犯罪人を世に送ることの不利益を無くそうとしているのである。

               崩れ熊

 しかし、モノやサービスと異なり、冤罪被害者は人間である。いくら犯罪者を社会に流出させないからと言って、罪のない人が罪人の汚名を背負い、処罰されるのでは堪ったものではない。また企業にとっても、②のミスは利益を直撃する。こんなミスが続けば、あっという間に潰れてしまう。検査員は路頭に迷うから、②のミスも極力防ごうとする。

 それに対し、警察・検察は親方日の丸である。いくら冤罪人をつくっても、自分の首は安泰である。決して口に出さないが、本音ではそう思っている。
 現に平成30年に行われた、約30万件の裁判のうち、無罪となったのは130件しかない。今のずさんな警察・検察のやり方なら、毎年10万人以上の冤罪被害者が発生していると思われても仕方がない。被害者らが国を恨み、まともに仕事をしなくなって、本物の犯罪者に変身したらとんでもないことになる。すでになっているのではないか。

 したがって、人間様を対象とする警察・検察の取り調べにおいても、②(良品を不良品と判断する)のミスも無くす努力をしなければならないのである。

 どんな人や組織でも、ミスは必ずある。重要なのはそのミスを減らすようにすることと、ミスが発生しても大事にならないことである。そのために、いろんな知恵がある(このことは別な機会に)。

                  妖しい枯れ木

 もっとも、いまの警察・検察から裁判に至るまでの取り調べは、ミスと言うより悪意であるとしか思えない。それなら、彼ら自身を裁かなければならない。その仕組みをつくるため、グルになっている法相界を分断する。裁判制度の抜本改革が必要である。

 まずは、国民自身が冤罪を防ぐために、大きな声を上げ続けることである。TV番組のような理不尽なことが続けば、法曹界の人々の首が飛ぶ。つまり、彼ら自身が「逆転人生」を送る。そのことを、しっかり自覚していただく必要がある。
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