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MMTは間違いか

 いくらお金がだぶついても、溜めるのが好きな日本ではインフレにならない

 ここ数年、経済界ではMMT理論(財政赤字は問題でないという理屈)をめぐって、学者同士の論争が続いている。中央公論10月号では、小林慶一郎氏が消費増税支持の立場から、「泡の如く膨れるMMTへの淡い期待」と題し、MMT理論を批判している。  
 同紙によると、小林氏のMMT批判の根拠は、以下の3点である。

 小林氏の主張は、
①いま積極財政の必要がない
 積極財政が必要なのは、失業率が高い不況期である。現在日本は、ほぼ完全雇用状態で、これ以上財政政策を行っても、景気改善は望めない。

②MMTの出口論が安直
 政府債務が大量に累積している状況でインフレになり、金利を上げたら政府の利子負担が激増する。財政が信認を失い金利暴騰のスパイラルが起きる。それを防ぐため、日銀が国債を無制限に買い入れれば、インフレがコントロール不能になる。つまり金利か物価か、いずれかが制御不能になり、それを止めるには極端な緊縮財政しかない。
 
③債務膨張は永遠か
 30年前から政府債務の膨張に関わらず、金利もインフレ率も低い。これは、税収より国債の価値が過大に評価されているからで、国債バブルである。バブルが崩壊すれば、金利または物価の高騰がはじまる。

               金は天下の廻りもの H27.9.26

 小林氏は昨年も中央公論で、積極財政を批判していた。
 しかし私には、小林氏の理屈がよくわからない。金融素人の私は、先ほどの3項目について、つぎのように考える。

①政府以外に、溜まったお金を借りて遣う人がいない
 たしかに、いまは人手不足である。しかしそれは、働き方改革などでワークシェリングが進んでいるからである。また高齢者やニートなど、働けるのに働かない人が増えたこともある。さらに企業や個人は、お金を持っているのに、借りる人がいなくてだぶついている。それを使わなければ世の中は回らない。
 したがって、政府が国債を発行して財政支出をすることで、働く人をあぶりだすことができる。つまり需要を増すことで、社会がモノやサービスを作り出す力をつけ、所得を高めることができる。金が回らなかったら、世の中死んでしまう。

②金利が上がれば財政出動はいらない
 金利が上がるということは、民間の資金需要が増えるということである。したがって、政府がわざわざ財政出動することはなくなる。しかもそのときは税収が増える。また政府が保有している国債は、低金利のときに発行しているため、政府が高い金利を払う必要はない(払ったとしても国民が儲かるだけ)。

③金利や物価が上がってなぜ悪い
 国債バブルが崩壊して金利や物価が高騰するなら、そのときは財政出動はいらない。そもそも財政出動は、そのために行っているのではないか。


 MMT反対論の中心は、MMTではインフレの歯止めがきかなくなるということであろう。たしかに、政府債務を無制限に増やすのはヤバそうである。ただ、中央公論10月号別の記事で小林氏の対談を見ると、氏は水野氏と同じように、縮小路線を歩む日本を目指そうとしているらしい。それなら世の中にお金が回らず、日本人は「茹でカエル」のように昇天する。

                威嚇

 だが鵜の目鷹の目で日本を狙っている諸外国は、そのようなソフトランディングを許してくれるのであろうか。茹で上がった日本は、周辺諸国から食い物にされ、ケツの毛まで抜かれる。

 それを防ぐには日本を強く、つまり供給力を高める必要がある。そのためには、民間で溜まっているお金は、だれかが借りて遣わなければならない。税府がお金を遣えば、そのぶん財が増え、そのうえ国民の懐も豊かになる。溜めるのが好きな日本人はそれを遣おうとしないから、インフレにはならない。
 さらに政府の財政支出では、個別価格は上がらないからインフレにならない。ブランド価値を認めないからである。公的業務に対する私への謝金単価も毎年下がっている。

 ただ例外がある。それがあいちトリエンターレであぶりだされた、闇の世界である。
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