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事業承継と事業継続

 事業を維持するより組織を維持するほうが難しい。会社はやめても事業は続ける

 いま、経産省の肝いりで「事業承継事業」が進められている。ややこしいが、前回ここで取り上げた「事業継続」(BCP)とは微妙に異なる。というより、「事業承継」は「事業継続」の一部であって、あらゆる事業項目のうち、もっとも重要な経営権の引継ぎである。
 中小企業経営者の高齢化が進み、今後経営者の多くが引退時期を迎えるため、経営が引継ぎされない企業があれば、そのぶん生産活動は停滞する。

               子連れ R1.6.24

 ただ一概に「事業承継」といっても、継ぐべき組織の性質や大きさによって、まったく事情が異なる。総理大臣のように、なりたい人が山ほどいて、ふるい落とすのに苦労する組織もあれば、町内会長や診断士会長のように、成り手がなくたらいまわしになるものもある。
 また、5~10年かけて計画的にじっくり引き継ぐ場合と、先代の急死でやむを得ず引き継ぐ場合がある。前者はまさに「事業承継事業」で支援の対象になる案件であり、後者は災害時の緊急対応と同じで、「事業継続」に近い。

 さらに、根本的に事業承継ができない事業所も多い。起業した時点で、事業の継続は個人のみの力量に負うところが多く、最初から1代かぎりを前提とした事業である。私のように、個人で開業した士業はその典型である。デザイン事務所や個人の設計事務所にも多い。私自身、事業所の後継ぎはいないし、私の行っている事業も、世の中にどうしても必要なものではない。代わりはいくらでもいる。

 そして事業を維持するより、組織を維持するほうが難しい。
 組織のなかではやりにくい事業を、個人でも、生きている限り続けたほうが、世の中の生産活動は増える。もちろん、社会全体として豊かになる。
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