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米中貿易戦争(葉千栄氏講演)

 中国がいまにも潰れるという30年来の予想は大きく外れ、世界に影響を及ぼす大国になった

 昨日(2日)、葉千栄氏(東海大教授)の講演「米中貿易戦争の行方」を聴いた。いま、アメリカと中国の貿易戦争が激化し、世界中が困惑している。それについて中国専門家による解説と、日本経済がどのような影響を受けるかの考察である。

 講演内容は、およそ以下のようなものであった。

①9月1日に米国は対中制裁第4弾を仕掛け、関税率は世界大恐慌の時と同じになった
②香港の大規模デモ(200万人という史上最大)とも絡んでくる
③香港犯罪人引渡法案反対の背景は、1)香港出版社の周金兵暴露本発行者が北京で拘束、及び2)香港でマネーロンダリング常習者が北京に拉致されたことに発する
④香港デモでの放火などの過激者は、警察ヤラセの可能性が大きい(解放軍投入の口実になる)。またデモの様子は、中国本土では情報管理されている
⑤デモ隊の要求は、犯罪人引渡(実質廃案)から完全自由選挙に移ったが、中国は絶対認めない。デモは長引く
⑥香港は中国取引の窓口になることが多く、香港混乱も世界経済にダメージがある
⑦米・中貿易摩擦は、完全に覇権争いである
⑧関税合戦をすることで、米・中とも物価上昇し景気は低迷する。中国はブタ肉が2倍になるなど先行き不透明
⑨中国進出企業は、撤退する前に、解雇や資産持ち出しに関する定款をさりげなく変更しておく
⑩代わりにベトナムが生産工場として注目。関税はないが中国と異なり市場は狭い
⑪日本の貿易量は中国・米国が中心。したがって、この貿易摩擦はリーマンショックより影響大
⑫10月1日の建国70周年までに、中国は香港デモを収束させたい
⑬人民解放軍投入なら、米国第5弾制裁で関税25%となり、影響は深刻化。中国は世界の工場でなくなる
⑭中国の持ちカードは、更なる人民元引き下げ。その場合中国進出企業は資産持ち出しが困難になる
⑮中国の切り札は、2兆ドルの米国債の売却(日本について2番目に多い。ただ清朝が発行した外債を米国人が保有、相殺を要求している)
⑯中国はトランプ潰し(農産品不買)でも、米国は民主党も中国に対して強硬になった
⑰世界は中国について、2つ大きな誤算があった
 1)経済発展すれば民主化が進む→だが独裁が発展を促進させることで、より独裁色が強くなった
 2)ネットが普及すれば情報を共有できる→ネット最先進国になったが、みごとに国家管理してしまった
⑱IT、ネット環境では、ファーウェイが独自のOSを開発するなど、15億人市場の強みを発揮している
⑲中国はいまや年収レベルでも日本以上に豊かになり、情報化も進んでいる
⑳日本はもう豊かではない。坂の上の雲を目指すべき


 長谷川慶太郎氏を中心に、日本の経済評論家は30年前から延々と、いますぐ中国が潰れるようなことを言っていた。私の書棚にも、彼の著書だけで20冊以上ある。それがいまや中国は、IT技術や軍事力で米国を脅かし、世界経済を振り回す超巨大な存在になっている。人々も豊かである。   
 日本がここまでおかしくなったのは、われわれが長谷川氏の本ばかり読んでいたからに違いない。

                まだ半分ある R1.6.30
 ではこれから日本はどうするか。
 いま日本のマスコミは、金慶珠氏と東国原氏のバトルなど、しょうもない報道が多い。またストーカー的な韓国の嫌がらせを増幅して報道することで、嫌韓感情を煽り日韓関係をややこしくしている。ニュースやワイドショウは、日韓問題が最重要事項である。

 世界はそれどころではない。日韓でお互い溜飲を下げている間に、状況はとんでもなく変化している。アメリカは中国に対し、肉を切らせて内臓を抉り出そうとしている。互いに傷つくのは必至である。日本は、その両巨大国に引きずり回されるのか、或いは漁夫の利を得ることができるか、どちらかしかない。深刻さは、リーマンショックを大きく超える。
 われわれの知恵のみせどころである。

 まず消費増税は、この際永遠に見合わせるべきである。ゼロにすれば、経済・技術革新が進む。
 また熱い戦争に備えて、軍事力(攻撃力)と防衛力(防空壕など)の予算はしっかり増やす
 原発を中心に、自前のエネルギーを早急に確保しなければならない。
 そして中小企業は、国内市場をしっかり見据えていきたい。世界経済がいいときでさえ、海外進出でいい思いをした企業は少ないのである。
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