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事故のリスク対応(8月2日)

 リスクを回避するだけでは、社会の活力は無くなる。高速ツアーバス廃止のような規制強化は、脳がない、としか言いようがない。

 人間は必ず過ちを起こす(機械は必ず壊れる)。今日はこれを、リスク管理の観点から見てみよう。リスク対応の方向は、「回避」、「移転」、「保有」、「低減」の4つとされている。

 「回避」は、文字通りなにもしないことである。高速道路事故対策の場合、自動車による交通をなくし、鉄道と海運、自転車、徒歩に限定することだ。或いは、高速道路をやめる。しかしこれでは進歩がない。人類(日本)は進歩し続けなければ、絶滅が前倒しになる。事故は、進歩のための貴重なノウハウなのである。そうでなければ、大きな犠牲を払って得られた知見が、雲散霧消する。今度の事故対策に、「回避」対策が行われたら、文明の破壊と、犠牲者に対する冒涜である。誰もこんなバカなことは考えない。これは原発事故にも当てはまる。

 「移転」とは、事故が起こることを想定して、おもに金銭面でカバーしようとするものである。確かに、犠牲者の遺族にとっては、多少の慰めにはなる。保険会社も喜ぶ。ただ、事故を無くすための対策にはならない。むしろこれを悪用して、事故に見せかける犯罪が多発している。

 「保有」とは、事故はあるものとして、受け入れようとすることである。隕石衝突のように、めったに起きないか、起きてもどうしようもない事象、あるいは起きても大したことのない事象に適用される。こんなものにいちいち対策していたら、きりがない。もっとも、知らないうちに多くのリスクが「保有」されているはずである。
 すべてのものを、あるがままに受け入れよう、という考えもある。これは宗教である。

 そこで普通、今回の事故のような場合は、「低減」対策がとられる。これが最も重要で難しい。一部にだけ責任を押し付けては、有効な対策は取られない。責任を分担することによって、幅広く知恵を集めることが必要である。マスコミや被害者は、スケープゴートを作りたがるが、それでは問題は解決しない。たいていの場合、真の原因は他にある。

 今回のような規制強化(高速ツアーバス廃止)は、最初の「回避」対策に近い。これではかえって、「角を矯めて、牛を殺す」ことになってしまう。つまり別の事象で、もっと大きなマイナスを引き起こすのである。今度の対策は、あまりにも能がない、としか言いようがない。
 先日の韓国人登山者の遭難も、数年前の大雪山系大量遭難を受けた、山岳ガイド規制強化が遠因であろう。
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