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幻滅のエベレスト

 エベレストにはもう思い残すことはなくなった。違うところで一花咲かせたい

 登山に夢中になっていた学生時代、一度はエベレストに登ってみたいと思っていた。なんといっても世界最高峰である。山を志す者なら憧れる。卒業後数年経過し、あまり山に登らなくなっても、つい最近まで、その思いはずっと残っていた。

 三浦雄一郎氏は、70才、75才、80才でエベレストに登った。彼はいつも、『無理をしなければ行けない。死ぬ気でチャレンジしなければ生きては帰ってこられない。だから僕は人生最大の無理をします』と言っていたそうだ。そのうえ、彼はいくつもの成人病を抱えている。
 だから私も、全財産をはたき体力を絞ればいつかは登れると思っていた。もう一花咲かせたい。

                じじいの決死隊 H29.8.3

 しかしここ数年、近隣の山を登っただけで消耗する。めっきり体力の限界を感じるようになった。これではエベレストどころではない。
 そう考えていたら、エベレストへの思いを吹っ切るような映像が目に入った。山頂付近の大渋滞と、膨大なゴミの山である。なにしろ、エベレストの山頂に至るやせ尾根数百メートルの間には、色とりどりの登山者が、身動きできないほど、びっしり張り付いている。

 2018年には、シーズンの5月だけで807人も登ったという。年間を通し登山可能な日は、それほどない。多い日は250人が山頂を目指したらしい。なにしろそこは、地上30%の酸素濃度である。酸素ボンベでも、すいすい登れるわけではない。渋滞で順番待ちをしている間に、酸素が無くなる。時間切れで体力を消耗し、遭難する人が続出している。今シーズンだけで10人以上が亡くなった。

 さらに幻滅したのは、ゴミの山である。テント場や山頂へ続く登山道には、テントや登山用具、空になったガスボンベの他、人の排泄物までもが散乱している。あれだけ人が集まれば、廃棄物が発生するのは当たり前である。
 すっかり幻滅した。
 これでエベレストには思い残すことはなくなった。「違う」ところで一花咲かせたい
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