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安心と緊張(7月25日)

 安心も緊張によるストレスも、重大なリスクである。いずれもほどほどに保ちたい

 50年近くの登山経験の中で、数回命の危険にさらされたことがあった。なかでも最大の命拾いは、積雪期の新潟魚沼三山縦走のときであった。20歳の時である。
 中の岳から八海山への稜線を通過中、危険地帯を過ぎて後ろを振り向いた途端、滑り落ちてしまった。2~3メートル落ちたところで、たまたま1本だけあったブッシュに必死でしがみつき、何とか奈落への滑落を免れた。このままいったら、数百メートルの谷底へまっさかさまである。99%命はない。あの1本の細い小枝が、命を救った。

 不測の事態に陥った時は、このように危機を脱し、ほっとした瞬間が多い。誰でも1度や2度、このような経験はあるはずだ。

 そうかといって、人間は、いつまでも緊張しているわけにはいかない。数年前ドライブ中、カーナビに導かれ、おかしな山道に、迷い込んでしまったことがある。片側が断崖絶壁で、道幅が狭く、引き返すこともできない。少しでもハンドル操作を誤ると、100m下の河原にダイビングである。緊張のノロノロ運転が20分ほど続き、ブチ切れそうになったところで、広い道に出た。
 このとき、緊張には限度があると実感した。この状況に耐えられず、谷底へ飛び込むのも構わず、スピードを上げそうになったのである。緊張やストレスが続くと、ブチ切れて自ら破滅行動を起こすか、病気になるしかない。

 何事もバランスである。どのみち人間は死ぬ。同じことなら、リスクばかり吹聴されず、安心して死にたい。
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